闖入猫 ニセタヌキ君
26.9.30 東京都清瀬市
9月も末
26.9.30東京都清瀬市
26.9.27 東京都清瀬市
野原のコスモスもすっかり咲ききったこの日
我が家の庭先に、久しぶりの訪れ
“ ゴブサタシテマシタ ”
モーちゃん!
かつては常連だったモーちゃんが、このしばらく濡れ縁に現れませんでした。
というより、来られなくなっていました。
その理由は この子
“ ナニカ ”
よそから来て みんなをいじめちゃダメだよ
気付くとこの頃は、濡れ縁の東端から続く庭の藤棚の下あたりに控えていて
通せんぼ。
この闖入者のせいでほかの猫が縁までやって来られないのです。
26.9.29 東京都清瀬市
ひと月ほど前の頃、夜中や明け方に猫の争う喧しい声が続く時期がありました。
飛び出して行って見ると、この猫君が、御町内のF.ミミちゃんやモーちゃん、
または時々遊びに来るヒマワリ君だのチョロンだのと睨み合っているのでした。
F.ミミちゃんとモーちゃんとこの猫さんは同じくらいの体格の大猫ですが、
一番押しが強そうなのがこの子。
目つきに問答無用の険しさがあります。
取り敢えず仲裁して呻り声を止(と)めるのでしたが、解決するというには至らず。
26.9.29東京都清瀬市
この猫さん、初めて見る顔ではありません。
以前、この庭でたぬきち君と間違えてしまったこと(「猫許認可権」)があり、
その時から勝手にニセタヌキ君と呼んでいる猫さんです。
チョロンに意地悪をしているのを不審に思って咎めたのですが、あとで
たぬきち君本人ではなかったとわかって納得したのでした。
あれはもう三年以上前のこと。
本拠はここから少し離れたところにあるらしい。
時々思い出したように遠征して来ますが、今まではあまり大きなもめ事は
起きませんでした。
通ってきては争い続けるようなことは今までになかったことです。
“ フフン ”
乱暴者ですが 可愛い顔立ちです
ここでオヤツ食べるのはいいけど、みんなとなかよくしないのはダメだよ
濡れ縁に来る度に説諭しますが、この猫さんにすれば、揉めている時に
いつも相手の肩を持つ人の言うことを素直に聞く気にはならないでしょう。
“ ヤーダヨー”という感じ。
あたりの平和は戻らないのでした。
公園の支配者Y.ミミちゃんは、夜はお家から出ないらしく、
争いの現場に見かけたことはありません。
しかし、御町内のこと、当然ニセタヌキ君のことは察知していることでしょう。
“ アイツ ツヨソウ デモ 闘(ヤ)ルナラ ヤッテヤル ”
女の子ですが武闘派のY.ミミちゃん。
今日も鼻に向こう傷がついています。
“ モーチャンハ コナイノ?”
“ オウチニイテ トキドキシカ デテコナイッテ ”
“ オニワニ コラレナイノ?”
“ ダーカーラー トキドキダッテ ”
“ ツマンナイ”
来訪は減ったものの、モーちゃんは落ち着いた暮らしはしているようです。
いつのまにかグレコちゃんとふたり、御近所のYモトさんのお家に身を寄せて、
家出入り自由の半飼い猫待遇で可愛がってもらっているようです。
モーちゃんと連れだって縁に来ていたグレコちゃんだけ、今もひとりでやって来て、
オヤツを食べ、世間話をして帰ります。
利口なグレコちゃんは、よく観察してよい時を見計らって来ているのでしょう。
さすがに争わない知恵を持っています。
26.9.30東京都清瀬市
この頃は争わずにみな身を引くようです。
明け方に叫び声が響くようなことはなくなりました。
が、この庭はすっかり散歩のお客がなくなりました。
ひとりぼっちで威張っていても楽しくないのでは と思いますが、
猫の場合はそうでもないのでしょうか。
このニセタヌキ君も含めた、新しい調和の世界が やがてはできるのでしょうか。
26.9.29東京都清瀬市