穀雨
八重桜 23.4.17 埼玉県所沢市
染井吉野があっという間に咲き過ぎ、桜の春は終わろうとするこのごろ、野原にいよいよ草木の息吹が満ちて来ました。二十四節気で言えばこの4月20日頃は「穀雨(こくう)」。穀物の成長を助ける雨のことで、農作の準備が調う頃の春雨の時期をいうものです。
たしかにこの一週間には雨模様の日もちらほら。しかし、東京でもまた暖房を使いたくなるような寒い日があったり、春の温かい雨にはなりませんでした。
23.4.16 埼玉県所沢市
震災のあと、とかく落ち着かないのは気持ちだけのことではなく、広範囲で余震も続き、大地の様相も気象も何もまだどこかに異様な気配があって安心できません。その上、放射能汚染の問題は被災地の生活を侵害して拡大しつつあり、どんよりと日本中の心を重くしています。事故の収拾について、ようやく今後の見通しとともに作業計画が発表されましたが、それが現在の見込み通りに進展する保障はありません。
23.4.16 東京都清瀬市
この問題に楽観的な意見と悲観的な意見が対立してあるのは、東京電力が重大な情報を、世間に公表しなくても構いませんが、収拾の対策を取っているしかるべき機関にすべて明かしているかどうかの判定に拠ります。
普通なら、大丈夫だと言われたことをいちいちウソだろうとは勘ぐりません。公表された取り敢えずの事実を根底から覆すような隠し事があるなどとは疑いませんが、東京電力にはこれまでに重大な前科がありすぎました。柏崎刈羽原子力発電所の事故およびその後の好い加減な収拾の仕方など、忘れられない人は多いのです。
そこへもって、この度の事故発生後のいろいろな動きを見ながら、やはりこの会社は前と同じだ、これはアブナイと思う人がいても仕方ないだろうと思います。非難されそうなこと、大問題になりそうなことはもはや言うに言えない、というようなことになっていたらただ事では済みません。
しかし、どうすることも出来ない私たちは結局願うことしかできません。別に伴侶と選んだわけでもない東京電力と一蓮托生というわけです。このことが無事に片付いたとしても、私たちはこういう次第を覚えて置くべきですね。
23.4.11 東京都清瀬市
せめてお天気だけでもよければ、散歩のひととき晴れやかな気分にもなりますが、そんなある日のこと、この森の珍しい住人に遭遇。雉子です。
23.4.21 東京都清瀬市
発見!
繁みの中です。ちょっとだけ頭を出して、用心深くあたりを窺っています
23.4.21 東京都清瀬市
出てきました
23.4.21 東京都清瀬市
道を横断するようです
23.4.21 東京都清瀬市
小走りで一気に駆け抜けます
23.4.21 東京都清瀬市
横断成功!
この辺りに住んでいることは知っていますが、なかなか会えない野鳥です。その姿は、自然界の「派手」には適わないなと思わせる鮮やかな彩りです。
23.4.21 東京都清瀬市
用心深く身を隠していて、移動する時もこうして繁みから繁みへ、見通しの良いところは最短時間で通過するようです。とりわけ目立つ出で立ちをしていて、矛盾するようで面白いでしょう。というより、目立ちすぎるから狙われやすく、従って用心深くなった、と言うことなのかも知れませんが。
何にせよ、苦労性な感じ。気の毒です。
"狙ッテナイヨ ホントダヨ"
雉子にはなかなか会えないものね
頑張り屋は今日もなにかと頑張っている様子です。
比較的苦労が見えにくい生き物である猫も、飼い猫でない場合などは特に、苦労していないわけではないはずです。
散歩道、柳瀬川の対岸にもお散歩猫発見。あれは気の好いのんき君。
何か見つけて 川縁に下りてくるようです。
"黄色イ オ花 咲イテルネ..."
別になにをするわけでもなく、花の中をまた とことこ上流に向かって歩いて行きました。
散歩から帰ると待ちかまえているふたり
"オカエリ チョロン ガ 来テルヨ"
チューリップの中に来てるね
ひたちは物干しが気に入って、まず自分でバスケットに入って待機です。
洗濯機が止まるとすぐわかるように、近くで待っているのでしょう。
洗濯物を干して、しばらく日向ぼっこして、室内に戻ります。
"オ庭ニ ミミチャン ガイル"
"ネェ 屋根ニ オリテ イイカナー"
下りられないでしょ フェンスの幅が...
雉子を見るくらいの珍しさは込みで、平凡に過ぎる日が幸いであることが、震災のあとによく分かるようになりました。この今が、さらに返らない幸福の時として懐かしく思う日が来ないように、原子力発電所の手当が進むことを願っています。
23.4.18 東京都清瀬市