初蝉猫
25.7.20 東京都清瀬市
異常気象という言葉も聞き慣れてしまったような気がします。
例年にない六月の暑さ、例年にない早い梅雨入り、そして早い梅雨明け。初夏に猛暑日が続くかと思えばまた梅雨のような雨も降り。
“ オテンキ スッキリシナイネ ”
夏らしい好いお天気は続かないね
“ ユウダチガ キソウダカラ マタネ ”
そうね 早くお家に帰った方がよさそう
山口県と島根県にわたる大雨は一日で例年の七月の一ケ月分を超えるほどという、これまでに経験のないような大雨と発表されました。
広報で呼びかけられた「直ちに命を守る行動を」という表現はいかにも大事で恐ろしい気がしました。
大きな被害が出ている模様ですが、これがさらに拡大しないことを祈るばかりです。
25.7.27 東京都清瀬市
いつからともわかりませんが、季節の訪れ方に「いつもと違う」と思うことが増えたような気がします。二年前、東日本大震災が起こった頃にはもうそんな感じでした。あの日も三月というのに季節外れに寒い日でしたね。
このあたりのこの夏の異変といえば
25.7.26 東京都清瀬市
カルガモの一家がまだ引っ越しをせずに留まっていること。
そして、蝉の遅いことです。
散歩道でも今年は蝉が少ないと話題です。
我が家の庭もつい二日ほど前にようやく蝉が鳴き始めました。
“ アレ ”
“ セミ ダ ”
蝉だね
“ オニワ カナ ”
お庭だね ひたち君 そこで寝返りしないで
あぶない!
こちらは瞬間ヒヤリとしましたが、意外に大丈夫なひたち君
“ スズシクナッタデショ”
25.7.27 東京都清瀬市
蝉が軒先をかすめると、家の中で暮らしているみやもひたちも、室内からでもそれを追って大騒ぎです。
毎夏のこの様子を見ると、猫にとって蝉取りは本当に我を忘れる楽しさなのだとわかりますが、「吾輩は猫である」の猫殿の意見を聞くと、漱石先生もやはりそのように御覧になっていたのだろうと想像されます。
単に蝉と云つたところが同じ物ばかりではない。人間にも油野郎、みんみん
野郎、おしいつくつく野郎があるごとく、蝉にも油蝉、みんみん、おしいつく
つくがある。油蝉はしつこくて行かん。みんみんは横風(おうふう)で困る。
ただ取つて面白いのはおしいつくつくである。これは夏の末にならないと出て
来ない。八つ口の綻びから秋風が断わりなしに膚を撫でてはつくしよ風邪を
引いたと云ふ頃、熾(さかん)に尾を掉(ふ)り立ててなく。善く鳴く奴で、
吾輩から見ると鳴くのと猫にとられるよりほかに天職がないと思はれるくらゐ
だ。秋の初はこいつを取る。これを称して蝉取り運動と云ふ。
『吾輩は猫である』
出てくると夜も声はしています。
“ セミ ナイテル ”
この夏は私が急ぎの仕事を進めているので、夜中までみやは勉強の友です。
夜の蝉の声を聴きながら、私のそばにいてくれます。
夜明け前のほんの少しの時間だけ、庭もしんと鎮まって、そのひとときが実に静かな時間です。
25.7.27 東京都清瀬市
蝉は地中で数年を過ごすことが知られています。地上に現れてからは生き物の命としてはもう最晩年です。今年蝉が少ないとすれば、また遅いとすれば、それは今年だけの問題ではなく、蝉の生まれた数年前からの事情を考えるべきなのでしょうか。
25.7.15 東京都清瀬市
よろずに専門家というのは尊敬すべきものです。仙人の散歩のお友達の蜻蛉(とんぼ)の専門家や野鳥の学者から伺うお話は、思いもかけないような自然の秘密を解き明かしてくれることがあります。私が不思議に思う蝉の生態のことなども、どこかには専門家がいるのでしょう。詳しいお話が聞きたいものです。
25.7.22 東京都清瀬市