月蝕猫
23.12.9 東京都清瀬市
野原に霜が降る季節になると、日が昇りきってようやく猫の森の面々の表情も穏やかないつもの散歩猫になるようです。
"アサヒ ガ アッタカイ..."
"オ日サマ スキ"
釣り堀ぼっちゃんのジュニア。久しぶりに会います。
これはパパに一番よく似た女の子です
おおきくなったこと
"ソロソロ 鴨チャン ネラウカナー"
それはそれは
森ではマユミの赤い実が熟して、それを大好物にしているコゲラが嬉しそうに啄(ついば)む姿が見えます。
23.12.10 埼玉県新座市
あまり嬉しそうにしているので、きれいな赤い実がどれほどおいしいのかと、口に入れてみた物好きな散歩人。はじめほんのり甘く、やがてひどい苦みが広がって、思わず吐き出したということでした。コゲラは苦味が平気なのか、あるいは感じないのでしょうか。
さて、そんな12月10日、冴えた空、満月の夜は月蝕の夜でした。
23.12.11 東京都清瀬市
23.12.10 19時 東京都清瀬市
満月に影がさして、欠け始めています。あれは私たちが住む地球の影です。
23.12.10 22時15分東京都清瀬市
すっかり地球の影に入りました。皆既月蝕です。
皆既月蝕 23.12.10 23時32分東京都清瀬市
この夜もみやは書庫で遊び、ひたちは月も見ないで早寝をしたようでした。
"窓カラ オ月サマ 見エテタケドネ"
清光に錆がかかったような、赤く暗く見えている月が月蝕の月だとは、みやには説明できませんが、一緒に窓からしばらくのお月見をしました。
"今日ハ ミミチャン コナカッタネー "
昨日ミミちゃんとグレコちゃんは喧嘩をして、ミミちゃんはいちにち庭を通りませんでした。そこはかとない期待でカーテンを分けて窓に寄っているひたちは、庭の、残り少なくなった柿の葉がゆっくり枝から落ちてくるのを、今日は何度も見たことでしょう。いつもの年よりは遅い落葉でしたが、この夕方には最後の一葉もなくなりました。夜が更けて、車が一台行く音がしました。そのあとはもう何の気配もありません。そばで寝ているひたちの寝息だけがクークー聞こえます。みやも横に来て丸くなりました。マユミが大好きなコゲラも、もう寝ているのでしょうか。そんな地球の影が、しばし月を覆った夜でした。