2011年4月14日

春のはかないもの

    
14二輪草414.jpg                                    二輪草  23.4.14 東京都清瀬市

  「スプリング・エフェメラル」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。「春の儚(はかな)いもの」「春の短い命」というほどの意味ですが、春の一時期姿を見せ、花が終わると見えなくなってしまう草花をいっときの命のように見て名付けられた総称です。福寿草やイチゲ、アマナ、カタクリなどがその代表です。

  花のあと見えなくなると言っても、消滅してしまうわけではありません。花をつけ、葉を茂らせる間に光合成を行い、地下茎や種子に蓄えたその栄養素で、次の春までを静かに地中で過ごすのです。私の住まいのある武蔵野の一隅は、今いっとき、このはかない可憐な花々で賑わっています。


    
①ヒロハノ.jpg                                ヒロハノアマナ  23.4.4 東京都清瀬市

    
②カタクリ47.jpg                                   カタクリ  23.4.7 東京都清瀬市

    
③二輪草414.jpg                                   二輪草  23.4.14 東京都清瀬市

    
④和田草414.jpg                                   和田草  23.4.14 東京都清瀬市

    
③アヅマイチゲ47.jpg
                                 アヅマイチゲ  23.4.7 東京都清瀬市


  菫の仲間もいろいろな種類が顔をのぞかせます。

   
⑤葵菫329.jpg                                     葵菫  23.3.29 東京都清瀬市

    
⑥菫49.jpg                                      菫  23.4.9 東京都清瀬市

    
⑦タチツボスミレ49.jpg                                   立壺菫  23.4.9 東京都清瀬市

  ひっそりした林の中を散歩していると、こんな所でも散歩の猫に遇います。

      
お散歩スプリングエフェメラル.jpg      こんにちは
             " ダレ?  ドコカラ 来タノ?"

  あちらもこちらを観察しています。興味はありそうですが、毎日会う人ではないからでしょう、用心深く少し離れています。



  うぐいすの春の歌がめっきり上手になったこの頃、みやのお気に入りの窓から見える小鳥の顔ぶれがちょっと寂しくなってきました。  渡り鳥が北へ帰る季節が始まったのでしょうか。

      
みや窓4112.jpg     何見てるの

       
みや窓 411.jpg               "ミミチャンガ 走ッテイッタ"

  ひたちは相変わらず「なにか一つ持って寝る」お昼寝

       
ひたくま411.jpg
       
9庭チューリップ409.jpg                                         23.4.9 東京都清瀬市

  短い間に姿が見えなくなるとはかないと感じるのは、それを愛しみ、別れを悲しく思う私たちの受け止め方です。

  「スプリング・エフェメラル」の植物はこの世から消えてしまうのではなく、地中で逞しく力を蓄えているだけ。時が来れば自力で芽を出し、美しい花をひらいて、今年も元気に笑っています。お別れは寂しいけれど、この花たちが本当にはかないわけではないのです。




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