2012年3月 2日

春の雪猫


  
0301スズメ3596.jpg                                            24.3.1 東京都清瀬市


  
0301雪梅3894.jpg                                            24.3.1 東京都清瀬市


  二月二十八日夜から翌日午前中にかけて、関東一帯は大雪になりました。
  みやもひたちも見慣れない外の明るさに、その日は窓に寄って過ごすことが多かったようです。


     庭もこんな雪景色
 
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                                          24.2.29 東京都清瀬市


  今年は東京でも雪の多い年になりましたが、この度の雪は湿り気が多く、嵩(かさ)ばって積もったわりにはどんどん解けてゆきます。そして一夜明けて、もう三月。この前の大雪の時とは違って、路面に厚い氷になって残ることもなさそうです。


  雪が止んだ一日、ひたちは庭の探検です。

      
0301雪猫20641.jpg
      
0301雪猫0649.jpg
       手がパーの形に開くのは 冷たいせいなのでしょうか
       一歩一歩に体が沈むのを 踏ん張るせいか


      
0301雪猫0650.jpg                     ひたち君 足冷たくないかな
         "......!!"

       一所懸命すぎて声がありません  返事どころではないのでしょう
       何時にない 真剣な表情


  みやは家の中から見るので気がすむようです。
      
0301みや0623.jpg   もう見るのも飽きたのか いつものお気に入りの場所に戻ってゴロゴロ

  雪が降っているあいだ、庭に小鳥の訪れがありません。顔見知りの散歩猫もお家に籠もっているのでしょう、姿を見せてくれません。窓辺で待っていて、スズメやジョウビタキやメジロが庭の木の枝を渡るのにワクワクするみやは、天気の悪い日はつまらなくてならないのでしょう。

      
0228みや0619.jpg        " ヤルキ ナシ "

      
0301翡翠3616.jpg                                        翡翠 24.3.1 東京都清瀬市

      
0301ホホジロ3860.jpg                                    ハクセキレイ 24.3.1 東京都清瀬市

      
0301アオジ3650.jpg                                        アオジ 24.3.1 東京都清瀬市
     
0301コサギ3566.jpg                                        ダイサギ 24.3.1 東京都清瀬市



  立春が過ぎてから降る雪を特に「春の雪」と呼びます。
  季節の淡々とした進行の中で、ふと再び冬に引き戻されるかのようですが、このやわらかな温かい雪は、大きく見ればこれも季節の歩みに順当に組み込まれている現象のような気がします。

      
0302散歩猫4157.jpg   雪解けのぬかるむ道を お散歩猫です ゆっくり歩いています


  降っても長く残らずに消えてゆく。春の雪は古典的にははかないものの表象です。また一方で、これを見ることで却って花咲く春が目前に迫っていることを人が意識する、その不思議な予兆のようでもあります。独特の情感に美しい詩歌が数々残されてまいりました。春の雪降りの時とは、ものみなが目覚める前の、いっときの魔法の眠りのような時間なのかも知れません。

      
爆ひた9318.jpg
  慣れないことをしてくたびれたのか ひたちはそのまま夕方まで起きませんでした



   ながめゐし われが想ひに
   下草の しめりもかすか
   春来むと ゆきふるあした

             伊東静雄「春の雪」(『春のいそぎ』所収)より末聯


0301紅梅3848.jpg                                           24.3.2 東京都清瀬市

 



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