夏の迷子
25.8.2 東京都清瀬市
迷子は御覧のとおりの縞ネコです。
耳が大きく、顎の細いタイプの顔立ち。タヌキ型ではなくキツネ型の方(=みやタイプでなくひたちタイプの方:顔の造作です。体型はひたちはタヌキ)
ひたちの子供の頃を思い出してみると、生後四、五ヶ月くらいかなと思います。まだ幼い感じですが、手足が大きくがっしりしていて大きくなりそうな男の子です。
長いまっすぐなしっぽで、まだ去勢手術はされていません。
首にピンクのノミ取り首輪をつけています。
初めて見たのは三日前の夕方、家の近所の路上です。散歩に来たチョロンをこの小さいネコが威嚇していました。鼻先が触れそうな至近距離でした。チョロンの方は珍しそうにこのネコを観察するばかりなので、深刻なトラブルにはなりそうに見えませんでしたが、道路の真ん中だったので車を進めることが出来ず、降りて、ともかく仲裁したのでした。
人に慣れていて、人を見かけると近寄って来て多弁にたくさん鳴きました。
少し痩せていましたが汚れはなく、毛並みがきれいで、首輪をつけていたので、飼い猫だと思いました。ひたちの子供の頃を思い出させる風貌と声。やさしい高いトーンの声です。どこのネコちゃんだろう。近隣散歩の常連のチョロンも見知らぬネコらしい。
しかし、この子はお家に帰る様子がなく、その日からこの住宅街にいます。
御近所も我が家のように猫家族のいるお宅が多く、周辺のネコ情報は自然に交換します。内外出入りして暮らしているF.ミミちゃんやクロミちゃんを、路上で出会うとやはり威嚇しているらしい。小さい方が怖がってそうするのでしょう。幸いミミちゃん家族やチョロンなどは温和なのでまともな喧嘩にはならない模様ですが、外にはいろいろな猫がいますから、いつまでもこの子が無事である保証はありません。みながこの小さいネコを心配しています。
F.ミミちゃんの巡回コースや御近所の常連散歩猫の居場所を少し離れたあたりによく見かけます。そのあたりのお宅を尋ねて中に入りたがるようです。
人なつこくかわいい猫です。かわいがられて育ったのではないでしょうか。何かのアクシデントでお家から離れてしまったのだとしたら、御家族はどれほど心配されているでしょう。
市役所のしかるべき部署と都の動物愛護相談センターに連絡し、迷子の届を照会してもらいましたがまだ該当するものはありませんでした。
これからでもそれらしい届けがあれば電話を頂けることになっています。
現れて二日なら、まだそこに居ると特定できる段階ではないということでした。
「自分で帰る可能性もあります」
一週間経ってまだ姿があるようなら動物愛護相談センターの「目撃情報」というところに公表してもらえるそうです。
首輪が着いているので、勝手に保護はできずにいます。
帰りたいのに帰れなくしたらそれはおおごとです。
自分で帰れる可能性がある間は見守るだけにするように市からも動物愛護相談センターからも強く助言されました。
25.8.2 東京都清瀬市
夏はペットをつれて移動する機会も多く、我が家も先代、先々代の猫家族の頃は、夏ごとに一緒に高速道路で片道300キロくらいの旅行をしました。途中サービスエリアやドライブ・インで猫家族のために休憩をするのでしたが、そこで不慮のことがあってはぐれたら大変だと緊張したものでした。車の音や雷鳴、よその御家族が連れた大きな犬さんなど、猫のパニックの元は多いのです。この子のお家は思い出して自分で帰れる場所にあるのでしょうか。
柳瀬川沿いの遊歩道に近い住宅地です。散歩に通る方には声を掛けて口コミで情報を広げています。この子の御家族にお知らせできると良いのですが。