雪かき猫
1月23日、冷たい雨は夜になって雪に変わりました。窓から覗くと、雪がバサバサというように街灯の明かりの前を大きな黒い蛾のように遮りながら降っているのが見えました。
" イツモ ト チガウ シズカ スギル "
" ミヤチャン ナニ? "
寒いから もう 寝たら
その夜中のこと、寝ているところを主人に起こされました。変な音がする、何だろう、というのです。耳を澄ますと、遠いところからかすかにガリガリ、ザリザリ、と地面をこするような音が聞こえます。道一本向こうのブロックあたりでしょうか。
「まさか、雪かき?」
「雪かきか」
時計を見るとまだ午前3時を回ったところです。こんな時間にそんなことを、と驚きながら、またすぐに寝てしまいました。私は寝付きがよく、横になってだいたい3秒くらいで寝てしまいます。夜中は起こされなければ起きず、一旦起きてもすぐまた睡眠に戻るのです。
24.1.24 東京都清瀬市
24日の朝、カーテンを開けると外は真っ白でした。気象予報では東京都心でも5センチ程度という積雪を予測していましたが、なるほど確かにここは都心ではなく、優に10センチは積もって見えました。ノーマルタイヤの我が家の車は使えそうにありません。バサバサと降っていた水分の多い雪は夜中には止んだようでしたが、明け方にそれが凍り、表面が氷の固い雪になっていました。
24.1.24 東京都清瀬市
驚いたことに、我が家の西側の道路は端から端まで人が歩けるように雪かきしてありました。主人が明け方に起きて一時間ばかり働いたというのでした。昼過ぎにならないと陽が当たらない方面なので、通勤通学時間を前に放っておくわけにはゆかないと思ったようです。それから慌ただしく短い散歩に出かけ、そのあと出勤いたしました。
24.1.24 東京都清瀬市
主人の観測通り、家の南側の道路は日が昇ってくるとたちまち氷が緩み、魔法が解けるように雪が解けてゆきました。かき氷のようになった雪を雪かき用のスコップで押して側溝に運ぶと、夜中に聞いたあのガリガリの音がしました。
西側の通りは主人が朝方頑張ったので通行は出来るようになっていましたが、雪が氷になって路面をコーティングして、全面が氷張りの道路になっていました。真夜中に聞こえた雪かきは、なるほど、凍結する前に、降りたてのうちに片付けるためだったのだと分かりました。道筋の氷の板をスコップで割り、道路から剥がし続けて約4時間、御近所も総出の作業でした。
勉強中ですが ひたち君がこうしてアヤシイ眠気を出して迫って来るので
こんなことに...
雪かき疲れと思ってもらったようで、この日は珍しく散歩仙人のお説教ありませんでした。
その後もずっと気温が低いので、週末の今日になってもこの住宅地一帯、陽の当たらない場所の側溝には、まだその時の厚さ3、4センチの氷の板が山盛りになっています。
雪のあと、幾日かぶりに散歩に行くと、久しぶりに多弁な黒猫さんに出会いました。
"マア チョット 話シテ 行ケバ "
何用あってか、必ず人を呼び止める黒猫さん。野原もまだあちこちに真っ白に雪が残っていますが、暖かいひなたで、ひとしきりお話を聞いて別れました。
24.1.28 東京都清瀬市
24.1.28 東京都清瀬市
" 雪降ッテ オサシミ 買イニ イケナカッタッテ "
ほかに ゴハン あるから いいでしょ
" イチゴ ナンカ タベナイカラネ "
猫のゴハン あるでしょ
今年は本当に寒い「寒」です。何卒お大切にお過ごし下さい。