墨場必携:散文 田植え「枕草子」
22.6.1 東京都清瀬市
「清少納言枕草子」226段
賀茂へまゐる道に、田植うとて、女の、あたらしき折敷[をしき]のやうなる
ものを笠に着て、いと多く立ちて、歌をうたふ、折れ伏すやうに、また、何ご
とするとも見えでうしろざまにゆく、いかなるにかあらむ、をかしと見ゆるほ
どに、郭公[ほととぎす]をいとなめう(無礼に、馬鹿にして)うたふ、聞く
にぞ心憂き。
「ほととぎす、おれ(おのれ、=お前)、かやつ(彼奴)よ、おれ鳴きてこそ、
われは田植うれ」
と歌ふを聞くも、いかなる人か、「いたくな鳴きそ」とはいひけん。仲忠が童
生ひ言ひ落とす人と、ほととぎす鶯におとるといふ人こそ、いとつらうにく
けれ。
22.6.1 東京都清瀬市
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