2010年7月 5日

墨場必携:漢文 螢 招魂歌

          
4露花.jpg                                            22.7.4 東京都清瀬市

  捕螢歌(ほたるがりの歌) 民間伝承

    亮火虫 夜々紅
    天上去 雷打你
    下地来 火焼你
    快来 快来 我保你
    
 (訳詩)螢、螢、夜な夜なあかい。
     天に上りや、雷さまがうつぞ。
     地に下りや、火がやくぞ。
     早く来い、早く来い、お前を大事にしてやるぞ。
 
               徐芳「児歌的唱法」所収

  捕螢歌(ほたるがりの歌) 民間伝承 江蘇省杭州

    火燄虫 的的飛
    飛上来 飛下去

 (訳詩)螢、螢、ぴかりぴかりととんで。
     飛んでは上り、飛んでは下る。

               周作人「児歌之研究」「歌謡」所収

          
          
3あきつ1.jpg                                            22.7.3 東京都清瀬市
                                    


  捕螢歌(ほたるがりの歌) 民間伝承 江蘇省

    游火虫 夜々紅
    飛到西
    飛到東
    好像一盞小燈籠来

 (訳詩)螢、螢、夜な夜なあかい。
     西に飛んで、
     東に飛んで、
     ちいちゃな提灯そっくりだ。

               楊蔭深「中国民間文学概説」所収

          
23鴨.jpg                                            22.6.23 東京都清瀬市


  「蛍火[けいか]」  杜甫

    幸因腐草出
    敢近太陽飛
    未足臨書巻
    時能點客衣
    随風隔幔小
    帯雨傍林微
    十月清霜重
    飄零何處帰

    幸ひに腐草に因[よ]りて出づ
    敢へて太陽に近づいて飛ばんや
    未[いま]だ書巻に臨[のぞ]むに足らず
    時に能[よ]く客衣[かくい]に點ず
    風に随[したが]ひて幔[まく]を隔てて小さく
    雨を帯びて林に傍[そ]ひて微[かす]かなり
    十月清霜[せいさう]重し
    飄零して何の處[ところ]にか帰[き]する
 
  ※漢文では螢は秋の虫に分類されるようである。

          
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  「長恨歌」より抜粋  白居易

    夕殿螢飛思悄然
    孤燈挑盡未成眠
    遅々鐘鼓初長夜
    耿々星河欲曙天

     夕殿螢飛んで思ひ悄然[せうぜん]たり
     孤燈挑[かか]げ盡くして未[いま]だ眠りを成さず
     遅々たる鐘鼓初めて長き夜
     耿々たる星河[せいが]曙[あ]けんと欲する天

        
23合歓2.jpg                                          合歓 22.6.23 東京都清瀬市

          
4鴨親子.jpg                                      カルガモの親子 22.7.4 東京都清瀬市
    


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