墨場必携:漢詩
20.6.30 東京都清瀬市
懐旧 菅三品
金谷酔花之地
花毎春匂而主不帰
南楼嘲月之人
月与秋期而身何去
金谷[きんこく]に花に酔[ゑ]うし地、
花春[毎]ごとに匂[にほ]ふて主帰らず。
南楼[なんろう]に月を玩[あざけ]つし人、
月秋と期[ご]して身[み]何[いづ]ちにか去[い]んじ
知る他は是れ胡蝶なるを。
金谷園は石季倫が花を植えた所、
その花は来る春ごとに咲き匂うけれど、花を植えた主人は帰ってこない。
かの庾亮は南楼に登って月を愛でた、
月は秋と約して、秋が来れば清い光を放つけれど、
それを愛したあの人はどこへ行ってしまったのだろう。
※「為謙徳公報恩修善願文(謙徳公の為に報恩修善の願文) 菅三品」として
『本朝文選』収録
※金谷酔花之地:『晋書』石崇(=石季倫)伝。
石崇は河陽の別荘に百木万株の花園を営み、花見の詩宴を催した
とある。
※南楼嘲月之人:『晋書』庾亮伝。秋夜南楼に登っては月を愛でたとある。
20.10.16 東京都清瀬市
懐旧 菅三品
金谷酔花之地
花毎春匂而主不帰
南楼嘲月之人
月与秋期而身何去
金谷[きんこく]に花に酔[ゑ]うし地、
花春[毎]ごとに匂[にほ]ふて主帰らず。
南楼[なんろう]に月を玩[あざけ]つし人、
月秋と期[ご]して身[み]何[いづ]ちにか去[い]んじ
知る他は是れ胡蝶なるを。
金谷園は石季倫が花を植えた所、
その花は来る春ごとに咲き匂うけれど、花を植えた主人は帰ってこない。
かの庾亮は南楼に登って月を愛でた、
月は秋と約して、秋が来れば清い光を放つけれど、
それを愛したあの人はどこへ行ってしまったのだろう。
※「為謙徳公報恩修善願文(謙徳公の為に報恩修善の願文) 菅三品」として
『本朝文選』収録
※金谷酔花之地:『晋書』石崇(=石季倫)伝。
石崇は河陽の別荘に百木万株の花園を営み、花見の詩宴を催した
とある。
※南楼嘲月之人:『晋書』庾亮伝。秋夜南楼に登っては月を愛でたとある。
20.10.16 東京都清瀬市
【文例】 和歌へ