墨場必携:和歌
22.1.1 東京都清瀬市
◎神楽歌
〔採物[とりもの]〕
榊[さかき] ※本(もと)と末(すゑ)で一対
本
榊葉の 香[か]をかぐはしみ 求[と]め来れば
八十氏人[やそうぢびと]ぞ 円居[まとゐ]せりける
佐加幾波乃 加乎加久者之美 止女久礼波
也曽宇知比止曽 万止為世利計留
(榊葉の香が香しいので、もとを尋ねて来てみると、
たくさんの氏族の人々が集まって賑わっていたのだった)
末
神籬[かみがき]の 御室[みむろ]の山の 榊葉[さかきば]は
神の御前[みまへ]に 茂りあひにけり 茂りあひにけり
加美加幾乃 美牟呂乃也末乃 左伽幾波々
加美乃美末戸仁 之介利安比仁計里 之介利安比仁計里
22.1.2 東京都清瀬市
本
榊葉に 木綿[ゆふ]取り垂[し]でて 誰が世にか
神の御室と 齋[いは]ひそめけむ
佐加支波仁 由不止利志天々 多加与仁加
神乃御室止 伊波比曽女計无
(榊の葉に木綿を垂らして、いつの世からであろう、これ(榊葉)を
神のお出でになる清らかな場所として、御奉仕し始めたのは)
末
霜八度[やたび] 置けど枯れせぬ 榊葉の
立ち栄ゆべき 神の巫女[きね]かも
志毛也多比 於介止加礼世奴 左加幾波乃
多知左加由戸支 加美乃支祢加毛
紅梅 22.1.1 東京都清瀬市
◎催馬楽[催馬楽]
〔呂歌[りよのうた]〕
あな尊[たふ]と
あな尊[たふ]と 今日[けふ]の尊[たふ]とさ や
昔[いにしへ]も はれ
昔も 斯くやありけむ や 今日の尊とさ
あはれ そこよしや 今日の尊とさ
安名多不止 介不乃太不止左 也 伊尓之戸毛 波礼
伊尓之戸毛 可久也安利介无 也 介不乃太不止左
安波礼 曽己与之也 介不乃太不止左
※歌中の「や」「はれ」「あはれ」は感嘆詞。「や」「はれ」は囃子言葉にも
なっている。
新[あらた]しき年
新[あらた]しき 年の始めに や 斯くしこそ はれ
斯くしこそ 仕へまつらめ や 万代[よろづよ]までに
あはれ そこよしや 万代までに
安良多之支 止之乃波之女尓 也 加久之己曽 波礼
可久之己曽 川可戸末川良女 也 与呂川与末天尓
安波礼 曽己与之也 与呂川与末天尓
コサギ 22.1.4 東京都清瀬市
◎琴歌譜[きんかふ]
片降[かたおろし]
新しき 年の始めに かくしこそ
千歳をかねて 楽しきを経め
阿良多之支 止之乃波之女尓 可久之己曽
知止世乎可祢弖 多乃之支乎倍女
※(参考)
新しき年の始めにかくしこそ
千歳をかねて 楽しきを経め
『古今和歌集』大直毘[おほなほび]の歌
翡翠 22.1.3 東京都清瀬市
天然記念物翡翠を狙う散歩猫 22.1.3 東京都清瀬市
コゲラ 21.12.24 東京都清瀬市
正月元日慶歌[むつきのつきたちのほめうた]
そらみつ 日本の国は 神[かむ]からか 在りが欲[ほ]しき
国からか 住みがほしき
在りが欲しき国は 蜻蛉州日本[あきつしまやまと]
蘇良美豆 夜万止乃久尓波 可无可良可 阿利可保之支
久尓可良可 須美可保之支
阿利可保之支久尓波 阿支豆之万也万止
22.1.2 東京都清瀬市柳瀬川
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