墨場必携:散文 夏は夜
20.9.25 東京都清瀬市
夏はよる(夜)。月の頃はさらなり、やみもなほ、ほたるの多くとびちがひたる。
また、ただひとつふたつなど、ほのかにうちひかりて行くもをかし。雨など降るも
をかし。
『枕草子』1段
六月十よ日にて、あつきこと世にしらぬほどなり。池のはちすを見やるのみぞ
いと涼しき心地する。
『枕草子』35段
草は、山吹 藤 杜若[かきつばた] 撫子。池には蓮[はちす]。
『徒然草』第139段より抜粋
※『枕草子』を思わせる類聚。「草は」と挙げているものは夏の植物に
限られている。「草」はまず夏のものとされ、この続きに「秋の草は」と続く。
【文例】 訳詩・近現代詩へ