墨場必携:和歌 蝉 黄金日車(向日葵)
羽黒蜻蛉 22.7.10 東京都清瀬市
夕立
日をさふるならのひろ葉に鳴く蝉の
声よりはるる夕立の空
道助『宝治百首(宝治御百首)』1122
※第1句「さふる」は遮る
蝉
なく蝉の は山の夕日影見えて
みどりも薄き木々の色かな
正徹『草根集』2818
蝉聞声
鳴きつくす蝉のこゑかな深山路や
まだ末遠き夏の日数を
正徹『草根集』2822
晩夏蝉
をちかた(遠方)に鳴きたつ蝉の声過ぎて
梢しつづかにくるる夏かな
正徹『草根集』284
22.8.1 東京都清瀬市
啼きに啼くあさまし長しかまびすし
短き歌を知らぬ蝉かな
與謝野寛
髪に挿せば かくやくと射る夏の日や
王者の花のこがねひぐるま
与謝野晶子『恋衣』
手にとればかくやくと射る夏の日の
王者の花のこがねひぐるま
与謝野晶子『与謝野晶子歌集』
※『恋衣』にある歌を、後に下の形に改訂した。
【文例】 散文