2010年8月 5日

墨場必携:和歌 蝉 黄金日車(向日葵)



10黒いと.jpg                                      羽黒蜻蛉 22.7.10 東京都清瀬市
  夕立

   日をさふるならのひろ葉に鳴く蝉の
   声よりはるる夕立の空
            道助『宝治百首(宝治御百首)』1122 
   ※第1句「さふる」は遮る


  蝉

   なく蝉の は山の夕日影見えて
   みどりも薄き木々の色かな
            正徹『草根集』2818

  蝉聞声

   鳴きつくす蝉のこゑかな深山路や
   まだ末遠き夏の日数を
            正徹『草根集』2822

  晩夏蝉

   をちかた(遠方)に鳴きたつ蝉の声過ぎて
   梢しつづかにくるる夏かな
            正徹『草根集』284


          
1百日紅.jpg                                       22.8.1 東京都清瀬市



   啼きに啼くあさまし長しかまびすし
   短き歌を知らぬ蝉かな
            與謝野寛


   髪に挿せば かくやくと射る夏の日や
   王者の花のこがねひぐるま
            与謝野晶子『恋衣』

   手にとればかくやくと射る夏の日の
   王者の花のこがねひぐるま
          与謝野晶子『与謝野晶子歌集』

  ※『恋衣』にある歌を、後に下の形に改訂した。

ひまひた晶子.jpg


【文例】 散文

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