墨場必携:唱歌 童謡
日の丸の旗 文部省唱歌
1 白地に赤く 日の丸染めて
ああうつくしや 日本の旗は
2 朝日の昇る 勢ひみせて
ああいさましや 日本の旗は
『尋常小学唱歌(一)』明治44年
※ 昭和16年刊行の『ウタノホン(上)』に収録される際、
「ああうつくしい」、「ああいさましい」、に改変。
22.1.1 東京都清瀬市
朝日は昇りぬ 文部省唱歌
1 朝日は昇りぬ、日は出でぬ。
海には、帆綱をたぐりあげ、
追手[おひて]に帆あげて船出する
海士人[あまびと]今やいさむらん。
2 朝日は昇りぬ、日は出でぬ。
山には、仔牛を追ひながら、
朝露踏み分け登りゆく
少女[をとめ]の歌や高からん。
3 朝日は昇りぬ、日は出でぬ。
町には、工場の笛鳴りて、
今しも薄らぐ朝靄に
機会の音や響くらん。
『尋常小学唱歌(五)』大正2年
21.12.31 東京都清瀬市
牧場の朝 文部省唱歌
作詞:杉村楚人冠、作曲:船橋栄吉
1 ただ一面に立ちこめた
牧場の朝の霧の海
ポプラ並木のうつすりと
黒い底から勇ましく
鐘が鳴る鳴るかんかんと
2 もう起き出した小舎小舎[こやごや]の
あたりに高い人の声
霧に包まれあちこちに
動く羊の幾群[いくむれ]の
鈴が鳴る鳴るりんりんと
3 今さし昇る日の影に
夢からさめた森や山
あかい光に染められた
遠い野末[のずゑ]に牧童の
笛が鳴る鳴るぴいぴいと
『新訂尋常小学唱歌(四)』昭和7年
ルリビタキ 22.1.1 東京都清瀬市