墨場必携:和歌
21.9.3 東京都清瀬市
秋立ちて幾日[いくか]もあらねば
この寝ぬるあさけの風はたもと寒しも
安貴王「万葉集」1555
21.9.10 東京都清瀬市
わがせこが衣の裾を吹きかへし
うらめづらしき秋のはつ風
「古今和歌集」171 よみ人知らず
昨日[きのふ]こそ早苗[さなへ]とりしか
いつのまに稲葉そよぎて秋風の吹く
「古今和歌集」172 よみ人知らず
21.9.5 東京都清瀬市
初秋木
散りそむる桐の一葉に
秋来ぬとつぐるや風の心なるらむ
村田春海「琴後集」三
早涼
夕かげに露ふきむすぶをざゝ原
世は秋なれや 風のすゞしき
村田春海「琴後集」三
21.9.13 東京都清瀬市
初秋雲
ふきかはる風にたゞよふうき雲も
秋を見せたる夕暮れの空
本居宣長「石上集」二の巻
早秋
きのふけふ秋ともつげぬ秋風の
袖にしらるゝ夕暮れの空
本居宣長「鈴屋百首歌」二
21.9.14 東京都清瀬市
早秋
これとてもさやかにはみぬ秋なれや
またほのかなるみか月の影
本居宣長「鈴屋百首歌」二
初秋十七夜、三井寺の高きに
登りて月を見る
照る月の影は波もて砕けども
光は海をわたるなりけり
上田秋成「藤簍冊子」
初秋風
今よりのあきのはつかぜ心あらば
もの思ふ袖はよきて吹かなむ
香川景樹「桂園一枝」
Y.ミミちゃんとその友達
オ散歩ニ 来マシタ