2009年5月 1日

墨場必携:和歌

         
30mid2.jpg                                           21.4.30 東京都清瀬市

  さつきまつ花たちばなの香をかげば
  昔の人の袖の香ぞする
                      『古今和歌集』139 よみ人知らず

         
26yama.jpg                                           21.4.26 東京都清瀬市


  なつ山やきのふの花の雲消えて
  若葉ににほふ朝日影かな
                       村田春海『琴後集』二

   深山新樹
  都人きても折らねば若葉さへ
  み山ざくらぞおのがままなる
                       橘千蔭『うけらが花』

   林新樹
  若葉さす片山はやし露散りぬ
  花にいとひし風のなごりに
                       橘千蔭『うけらが花』

  風わたる利根の河辺の若くぬぎ
  若葉さすなる陰ぞすずしき
                       橘千蔭『うけらが花』

         
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  夏山に鳴く郭公[ほととぎす]心あらば
  もの思ふ我に声なきかせそ
                      『古今和歌集』145 よみ人知らず

  思ひいづるときはの山の郭公[ほととぎす]
  唐紅[からくれなゐ]の振りいでてぞなく
                      『古今和歌集』148 よみ人知らず

  かげむかふ青葉の桜若楓[わかかへで]
  なつによりてもあかぬ庭かな
                      『賀茂翁家集』

  なかざらむ物とはなしに郭公[ほととぎす]
  つらき時こそ猶またれけれ
                      『賀茂翁家集』

  たちばなのかをれる宿のゆふぐれに
  ふたこゑなきてゆく時鳥[ほととぎす]
                      『賀茂翁家集』

  卯の花に月こそ残れ
  ほととぎすこの曙を過ごすべしやは
                       橘千蔭『うけらが花』

  待ちあかす心くらべにまけにけり
  有明の月になくほととぎす
                       村田春海『琴後集』二

         
30yama.jpg                                           21.4.30 東京都清瀬市
         
3neko.jpg        散歩ニ来マシタ

【文例】 訳詩・近現代詩

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