墨場必携:和歌
21.4.30 東京都清瀬市
さつきまつ花たちばなの香をかげば
昔の人の袖の香ぞする
『古今和歌集』139 よみ人知らず
21.4.26 東京都清瀬市
なつ山やきのふの花の雲消えて
若葉ににほふ朝日影かな
村田春海『琴後集』二
深山新樹
都人きても折らねば若葉さへ
み山ざくらぞおのがままなる
橘千蔭『うけらが花』
林新樹
若葉さす片山はやし露散りぬ
花にいとひし風のなごりに
橘千蔭『うけらが花』
風わたる利根の河辺の若くぬぎ
若葉さすなる陰ぞすずしき
橘千蔭『うけらが花』
21.4.30 東京都清瀬市
夏山に鳴く郭公[ほととぎす]心あらば
もの思ふ我に声なきかせそ
『古今和歌集』145 よみ人知らず
思ひいづるときはの山の郭公[ほととぎす]
唐紅[からくれなゐ]の振りいでてぞなく
『古今和歌集』148 よみ人知らず
かげむかふ青葉の桜若楓[わかかへで]
なつによりてもあかぬ庭かな
『賀茂翁家集』
なかざらむ物とはなしに郭公[ほととぎす]
つらき時こそ猶またれけれ
『賀茂翁家集』
たちばなのかをれる宿のゆふぐれに
ふたこゑなきてゆく時鳥[ほととぎす]
『賀茂翁家集』
卯の花に月こそ残れ
ほととぎすこの曙を過ごすべしやは
橘千蔭『うけらが花』
待ちあかす心くらべにまけにけり
有明の月になくほととぎす
村田春海『琴後集』二
21.4.30 東京都清瀬市
散歩ニ来マシタ
【文例】 訳詩・近現代詩へ