墨場必携:唱歌・童謡
山桜にメジロ 21.3.30 東京都清瀬市
さいた桜 日本古謡 作詞者未詳
咲いたさくら
花見て戻る 吉野はさくら
竜田はもみぢ 唐崎の松
ときは ときは 深緑
※現在知られる「さくら」の元歌。江戸末まではこの詞で歌われた。
さくら
さくら さくら
弥生[やよひ]の空は 見わたすかぎり
霞か雲か にほひぞ出づる
いざや いざや 見にゆかん
『箏曲集』(明治21年)
※上記「さくら」を明治21年刊行された『箏曲集』編者が改訂したかと
推定される。オペラ「蝶々夫人」(プッチーニ)の第1幕にこの形で
取り上げられており、今日世界的に知られる日本の童謡のひとつ。
さくら
さくら さくら
野山も里も 見わたす限り
かすみか雲か 朝日ににほふ
さくら さくら 花ざかり
『うたのほん 下』(昭和16年)
※『箏曲集』の歌詞を昭和16年に文部省が改訂。
吉野桜 21.3.30 東京都清瀬市
昼 林古渓
歌につかれ 文[ふみ]に倦みて
携[たづさ]へ行くや 春の野
小川[をがは]の根芹 おしわけ逃ぐる
小鮒の腹 白く光る
霞む空に 名告る雲雀[ひばり]
しばしは憩へ 堤に
つくしは誇り 菫[すみれ]うつぶす
小草[をぐさ]しきて 汝[なれ]も臥せや
翡翠の求愛 21.3.28 東京都清瀬市柳瀬川
春風の歌 茅野雅子
春が来そめた夕暮れに、
私は森をとび出して、
小さいランプを持ちながら、
星の火盞[ひざら]に火を点[とも]す。
そよ。
春が来そめた夕暮れに、
私が森をうごかせば、
まあるいまあるい月が出る、
月は私のお友達
そよ。そよ。
春が来そめた夕暮れに、
私が森で笛ふけば、
甘く、かすかに、やはらかに、
子供は床[とこ]に寝にはいる
そよ。そよ。
そこで私は昨夜[ゆふべ]じゆう、
月とふたりで考えた、
お伽話[とぎばなし]に似た夢を、
子供の上にまきちらす、
そよ。そよ。そよ。
『金の船』(大正9年)
翡翠 21.3.27 東京都清瀬市
紅枝垂桜 21.3.27 東京都清瀬市
お花見に来ました 21.3.31 東京都清瀬市金山緑地公園
【文例】 みや・ひたちへ