墨場必携:漢詩
ツバメシジミ 21.6.3 東京都清瀬市
蝶 菅茶山
衝風触花樹
花落撲吟榻
一片忽還枝
知他是胡蝶
風を衝[つ]きて花樹に触れ、
花落ちて吟榻[ぎんたふ]を撲[う]つ。
一片忽[たちま]ち枝に還りしは、
知る他は是れ胡蝶なるを。
風に逆らって花にとまり、
花が落ちて長椅子を打つ。
その一片がたちまち枝に還っていったのは、
あれは、そう蝶々なのだ。
21.6.1 東京都清瀬市
夏昼 大窪詩佛
貪睡鳧雛猶傍母
学飛燕子已離巣
湘簾半捲閑窗午
臥見微風度竹梢
睡りを貪る鳧雛[ふすう]は猶ほ母に傍[そ]ひ
飛ぶを学びし燕子[えんし]は已[すで]に巣を離る。
湘簾[しようれん]半ば捲く閑窗[かんそう]の午[ひる]、
臥して見る微風の竹梢[ちくしよう]を度るを。
眠りこけた鳧[かも]の雛は母鳥に寄り添ったまま、
飛び方を学んだ燕の子はもう巣立ちした。
簾を半ば捲き上げる午さがりの窓辺、
横になってそよ風が竹の梢を吹き渡るのを見ている。
21.6.2 東京都清瀬市
初夏園中即事 菊池三渓
梅時喜雨只蝸牛
欲上芭蕉不自由
高處元非置身地
移家徐下竹籬頭
梅時[ばいじ]雨を喜ぶは只[た]だ蝸牛、
芭蕉に上らんと欲するも自由ならず。
高處は元より身を置くの地に非ず、
移家を移して徐[おもむろ]に下る竹籬[ちくり]の頭[ほとり]に。
梅雨時に雨を喜ぶのは蝸牛だけ、
芭蕉の葉に上ろうとするが思うようにゆかない。
高い處はもともと身を置くのによい場所ではないので、
ゆっくりと家を竹の籬のほとりに移している。
21.6.14 東京都清瀬市
蝶 菅茶山
衝風触花樹
花落撲吟榻
一片忽還枝
知他是胡蝶
風を衝[つ]きて花樹に触れ、
花落ちて吟榻[ぎんたふ]を撲[う]つ。
一片忽[たちま]ち枝に還りしは、
知る他は是れ胡蝶なるを。
風に逆らって花にとまり、
花が落ちて長椅子を打つ。
その一片がたちまち枝に還っていったのは、
あれは、そう蝶々なのだ。
21.6.1 東京都清瀬市
夏昼 大窪詩佛
貪睡鳧雛猶傍母
学飛燕子已離巣
湘簾半捲閑窗午
臥見微風度竹梢
睡りを貪る鳧雛[ふすう]は猶ほ母に傍[そ]ひ
飛ぶを学びし燕子[えんし]は已[すで]に巣を離る。
湘簾[しようれん]半ば捲く閑窗[かんそう]の午[ひる]、
臥して見る微風の竹梢[ちくしよう]を度るを。
眠りこけた鳧[かも]の雛は母鳥に寄り添ったまま、
飛び方を学んだ燕の子はもう巣立ちした。
簾を半ば捲き上げる午さがりの窓辺、
横になってそよ風が竹の梢を吹き渡るのを見ている。
21.6.2 東京都清瀬市
初夏園中即事 菊池三渓
梅時喜雨只蝸牛
欲上芭蕉不自由
高處元非置身地
移家徐下竹籬頭
梅時[ばいじ]雨を喜ぶは只[た]だ蝸牛、
芭蕉に上らんと欲するも自由ならず。
高處は元より身を置くの地に非ず、
移家を移して徐[おもむろ]に下る竹籬[ちくり]の頭[ほとり]に。
梅雨時に雨を喜ぶのは蝸牛だけ、
芭蕉の葉に上ろうとするが思うようにゆかない。
高い處はもともと身を置くのによい場所ではないので、
ゆっくりと家を竹の籬のほとりに移している。
21.6.14 東京都清瀬市
【文例】 和歌へ