墨場必携:漢詩 漢文
21.12.20 東京都清瀬市
生生生生暗生始
死死死死冥死終
生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く、
死に死に死に死んで死の終りに冥[くら]し。
『秘蔵宝鑰』空海
観身岸額離根草
論命江頭不繋舟
身を観ずれば岸の額に根を離れたる草、
命を論ずれば江の頭[ほとり]に繋がざる舟。
『和漢朗詠集』790 唐 厳維「無常」
年々歳々花相似
歳々年々人不同
年々歳々[せいせい]花相ひ似たり、
歳々年々人同じからず。
『和漢朗詠集』791 唐 宋之問「有所思」
※『唐詩選』には劉廷芝の作「白頭を悲しむ翁に代る」とする
朝有紅顔誇世路
暮為白骨朽郊原
朝[あした]に紅顔[こうがん]有つて世路[せいろ]に誇れども、
暮[ゆふべ]に白骨[はくこつ]と為つて郊原[かうぐゑん]に朽ちぬ。
『和漢朗詠集』794 義孝少将(藤原義孝)「中陰願文」
※三代前の冷泉院の后、麗景殿女御が二十五歳の若さで死去したことを嘆じて
作られたとされる(『私註』)。この麗景殿女御は「日本第二の美人」と
同註にある。
雖観秋月波中影
未遁春花夢裏名
秋の月の波の中の影を観ずと雖も、
未だ春の花の夢の裏[うち]の名を遁[のが]れず。
『和漢朗詠集』795 大江朝綱「無常」
ソウダ 勉強シヨウ
【文例】 和歌へ