墨場必携:漢詩歳末
22.12.4 東京都清瀬市
嶺外守歳(れいぐわいしゆさい) 唐 李徳裕
冬逐更籌尽
春随斗柄回
寒喧一夜隔
客鬢両年摧
冬は更籌(かうちう)を逐(お)ひて尽き、
春は斗柄(とへい)に随ひて回(めぐ)る。
寒喧(かんけん)一夜隔(へだ)て
客鬢(かくびん)両年(りやうねん)摧(くだ)かる
冬は水時計の目盛りが尽きるのを追って季節を終え、
北斗七星の柄が回転するのにつれて新しい春がめぐって来る。
時候の挨拶も一夜隔てれば明けて新年となり、
故郷を離れ、山を越えた辺地で年を越す今、
私の鬢は二年の年に白さを増し、心くじけることばかりだ。
22.12.18 東京都清瀬市