2009年11月16日

墨場必携:漢詩 漢文

         
       
15秋木.jpg                                            21.11.15 東京都清瀬市
              

  落葉    青渓小姑

    日暮風吹
    落葉依枝
    寸心丹意
    愁君未知

     日暮れ 風吹き
     落葉 枝に依る
     寸心丹意
     君の未だ知らざるを愁ふ

   ※四言古詩

     日が暮れ 風が吹き
     落葉がはらはら舞い落ちる中に
        枝にすがって堪えている紅い葉がある。
     それはまるで小さな胸の中で
        燃えて堪えている恋心のようだけれど、
     かなしいことに、
        あなたにはまだこの思いが通じてはいないのだ。
    
        
         
4秋のは.jpg                                             21.11.4 東京都清瀬市
              
  山行[さんこう]   杜牧

    遠上寒山石徑斜
    白雲生處有人家
    停車坐愛楓林晩
    霜葉紅於二月花
  
     遠く寒山に上れば石徑[せきけい]斜めなり
     白雲生ずる所人家[じんか]有り
     車を停[とど]めて坐[そぞ]ろ愛す楓林の晩[く]れ
     霜葉は二月の花よりも紅[くれなゐ]なり

   ※二月花:桃の花を想定する
    紅於:この詩から「楓」「紅葉」の意味に用いられるようになった。



  初冬『和漢朗詠集』352   白楽天

    十月江南天気好
    可憐冬景似春華

     十月[じふぐゑつ]江南[かうなん]天気[てんき]好[ことむな]し。
     憐[あは]れむべし冬の景[かげ]の
                     春に似て華[うるは]しきことを。
     十月の江南は小春日和の良い天気です。
     冬の陽光は春に似て、明るい華やかさがなんとも好ましいのです。

   ※陰暦十月は冬の初め。現行暦に重ねると、十一月初旬からのひと月にあたる。
   ※「好」を「ことむなし」と訓むのは「こともなし」からの慣用訓み。

      
4もず.jpg                                           21.11.4 東京都清瀬市

【文例】 和歌

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