墨場必携:漢詩 漢文
22.1.1 東京都清瀬市
嘉辰令月歓無極
万歳千秋楽未央
嘉辰[かしん]令月[れいぐゑつ]歓無極[くわんぶきよく]、
万歳[ばんぜい]千秋[せんしう]楽未央[らくびやう]。
『和漢朗詠集』774 謝偃「雑言詩」
嘉辰:よい時
令月:よい月
歓無極:歓[よろこ]び極[きは]まり無く、とも訓む。
楽未央:楽しみ未[いま]だ央(なかば)ならず、とも訓む。
※踏歌(とうか:内裏で行われる舞と歌の催し)に歌われる歌。『大鏡』(八)、
『栄花物語』(初花)、『増鏡』(うちのの雪)等にこの朗詠の
記事がある。
22.1.2 東京都清瀬市
長生殿裏春秋富
不老門前日月遅
長生殿[ちやうせいでん]の裏[うち]には
春秋[しゆんじう]富[と]めり、
不老門[ふらうもん]の前には日月[じつぐゑつ]遅し。
『和漢朗詠集』775 慶滋保胤「天子万年」
長生殿:唐代皇帝の寝殿。
春秋富めり:年齢に余裕があり前途が豊かである。
不老門:洛陽にあった漢帝の宮門。
日月遅:月日の経つのがゆっくりである。
21.12.19 東京都清瀬市
題破山寺後禪院[はざんじのこうぜんいんにだいす] 盛唐 常建
清晨入古寺
初日照高林
曲径通幽處
禪房花木深
山光悦鳥性
潭影空人心
萬籟此都寂
但餘鐘磬音
清晨[せいしん]古寺[こじ]に入り
初日[しよじつ]高林[かうりん]を照らす
曲径[きよくけい]幽處[ゆうしよ]に通じ
禪房[ぜんばう]花木深[かぼくふかし]
山光[さんくわう]は鳥性[ てうせい]を悦ばせ
潭影[たんえい]は人心[じんしん]を空しくす
萬籟[ばんらい]は此に都[すべて]寂[せき]として
但[た]だ鐘磬[しようけい]の音を餘すのみ
[大意]朝早く古寺に入ると、朝日が高い林の梢を照らしている。
くねつた小道が閑居に通じ、禅堂は深い花木のなかにある。
新年ノ オ散歩ニ 来マシタ 霜踏ンデ
トラ年だね、小トラちゃん
【文例】 和歌