2009年6月15日

墨場必携:唱歌・童謡

  七つの子      野口雨情

   烏 なぜ啼[な]くの
   烏は山に
   可愛[かはい]七つの
   子があるからよ

   可愛[かはい] 可愛と
   烏は啼くの
   可愛 可愛と
   啼くんだよ

   山の古巣に
   いつて見て御覧
   丸い眼をした
   いい子だよ
            大正7年『金の船』7月

 ※「七つの子」とは「七羽の子」か「七歳の子」か未詳。それぞれに説がある。
  ただ、カラスの生態としては周知のとおり、七歳で「子」であることはない。
  七羽でないとすれば、人で言えば七歳くらいの幼さ という比喩であろうか。

7kara.jpg                             21.6.7 東京都清瀬市
    ただ今子育て中。二羽の雛の頭が見えるが、樹が高いので、
    巣の中にほかにもいるのかどうかは不明。
    親鳥二羽は巣を出たり入ったり。餌を運び、交代で巣を護っている。


  夏は来ぬ   佐々木信綱

 1 卯の花の匂ふ垣根に
   時鳥[ほととぎす]早も来鳴きて
   忍音[しのびね]もらす夏は来ぬ

 2 さみだれのそそぐ山田に
   賤の女[しづのめ]が裳裾[もすそ]ぬらして
   玉苗[たまなへ]植うる夏は来ぬ
*第二行「賤の女」はのちに「早乙女[さおとめ]」に改変。

 3 橘[たちばな]の薫[かを]る軒端の
   窓近く蛍飛びかひ
   おこたり諌[いさ]むる夏は来ぬ

 4 楝[あふち]ちる川[かは]べの宿の
   門[かど]遠く水鶏[くゐな]声[こゑ]して
   夕月[ゆふづき]すずしき夏は来ぬ

 5 五月闇[さつきやみ]蛍飛びかひ
   水鶏[くゐな]鳴き 卯の花咲きて
   早苗[さなへ]植ゑわたす夏は来ぬ

  山中Mimi2.jpg
山中Mimi1.jpg          オ散歩ニ キマシタ             御近所のミミちゃん


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