墨場必携:散文
21.7.26 東京都清瀬市
八九月ばかりに雨にまじりて吹きたる風、いとあはれなり。雨の脚横さまにさわが
しう吹きたるに、(肌寒くなって)夏とほしたる綿衣[わたぎぬ]のかかりたるを、
生絹[すずし]の単衣[ひとへぎぬ]かさねて着たるもいとをかし。この生絹だにいと
所せく暑かはしく、とり捨てまほしかりしに、いつのほどにかくなりぬるにかと、思ふ
もをかし。暁に格子[かうし]、妻戸をおしあけたれば、嵐のさと顔[かほ]にしみた
るこそ、いみじくをかしけれ。
『清少納言枕草子』198段
ヲミナヘシ 21.8.26 東京都清瀬市
野分[のわき]のまたの日こそ、いみじうあはれにをかしけれ。立蔀[たてじとみ]
透垣[すいがい]などのみだれたるに、前栽[せんざい]どもいと心ぐるしげなり。
おほきなる木どもも倒[たふ]れ、枝など吹き折[を]られたるが、萩、女郎花
[をみなへし]などのうへによろばひふせる、いと思はずなり。格子[かうし]の壺な
どに、木の葉をことさらにしたらんやうに、こまごまと吹き入れたるこそ、荒かりつる
風のしわざとは思[おぼ]えね。
『清少納言枕草子』200段より抜粋
F.クロミちゃん
オ向カイニ 住ンデマス。
オ散歩ニ オ庭ヲ通ルト ひたちクンガ ガラス戸デ 呼ビマス。
デモ 行カナイノ。
【文例】 近現代詩へ