2010年1月 5日

墨場必携:漢詩 漢文


1紅梅多.jpg                                            22.1.1 東京都清瀬市

    嘉辰令月歓無極
    万歳千秋楽未央

   嘉辰[かしん]令月[れいぐゑつ]歓無極[くわんぶきよく]、
   万歳[ばんぜい]千秋[せんしう]楽未央[らくびやう]。
                      『和漢朗詠集』774 謝偃「雑言詩」
  嘉辰:よい時
  令月:よい月
  歓無極:歓[よろこ]び極[きは]まり無く、とも訓む。
  楽未央:楽しみ未[いま]だ央(なかば)ならず、とも訓む。

  ※踏歌(とうか:内裏で行われる舞と歌の催し)に歌われる歌。『大鏡』(八)、
         『栄花物語』(初花)、『増鏡』(うちのの雪)等にこの朗詠の
          記事がある。 

2木蓮.jpg                                            22.1.2 東京都清瀬市
 


    長生殿裏春秋富
    不老門前日月遅

   長生殿[ちやうせいでん]の裏[うち]には
              春秋[しゆんじう]富[と]めり、
   不老門[ふらうもん]の前には日月[じつぐゑつ]遅し。
           『和漢朗詠集』775 慶滋保胤「天子万年」

  長生殿:唐代皇帝の寝殿。
  春秋富めり:年齢に余裕があり前途が豊かである。
  不老門:洛陽にあった漢帝の宮門。
  日月遅:月日の経つのがゆっくりである。

   
19コサギ.jpg                                          21.12.19 東京都清瀬市
  

   題破山寺後禪院[はざんじのこうぜんいんにだいす] 盛唐 常建

    清晨入古寺
    初日照高林
    曲径通幽處
    禪房花木深
    山光悦鳥性
    潭影空人心
    萬籟此都寂
    但餘鐘磬音
     清晨[せいしん]古寺[こじ]に入り
     初日[しよじつ]高林[かうりん]を照らす
     曲径[きよくけい]幽處[ゆうしよ]に通じ
     禪房[ぜんばう]花木深[かぼくふかし]
     山光[さんくわう]は鳥性[ てうせい]を悦ばせ
     潭影[たんえい]は人心[じんしん]を空しくす
     萬籟[ばんらい]は此に都[すべて]寂[せき]として
     但[た]だ鐘磬[しようけい]の音を餘すのみ

[大意]朝早く古寺に入ると、朝日が高い林の梢を照らしている。
    くねつた小道が閑居に通じ、禅堂は深い花木のなかにある。



    
3お散歩縞2.jpg           新年ノ オ散歩ニ 来マシタ 霜踏ンデ
  トラ年だね、小トラちゃん


【文例】 和歌

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