2014年4月15日

墨場必携:漢詩 猫詩二題


       
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  花下睡猫(くわかのすいべう)   釋梅癡(1793〜?)

      不追𨿸犬去昇天
      留住人閒作嬾仙
      恰似五勞猶病酒
      藥欄風暖背花眠

       
0412山桜0731.jpg                                         26.4.12 東京都清瀬市

    鶏犬を追ひ去りて天に昇らず
    留まりて人間(じんかん)に住して嬾仙(らんせん)と作(な)る
    恰(あたか)も五労(ごらう)に似 猶(な)ほ病酒のごとく
    薬欄(やくらん)風暖かく 花に背きて眠る。

       
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      ※淮南王劉案が仙人になって昇天した時、残った仙薬を鶏と犬
       は舐めてともに昇天した。その時猫は同行せずに、地上に残っ
       たという伝説がある。
      ※嬾仙(らんせん):怠け者の仙(せん:仙人)
      ※五労(ごらう):人を損なうという五つの労、害悪、つかれ。
      ※薬欄(やくらん):芍薬を植えてある囲い。

       
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    鶏や犬のあとについて天に昇ったりせず、
    この世に留まって怠け仙人になった。
    人の身を害する五つの労(つかれ)に似てまた泥酔のようでもある
    芍薬の囲いに吹く風は暖かく、花に背を向けてひたすら眠っている


        
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  悼猫児(猫児を悼む)   策彦周良(1501〜1579)

      猫児不幸俄横死
      鼠輩作群有喜声
      好転全身上天去
      堪飢四子可憐生

       
0413一輪草1103.jpg                                         26.4.13 東京都清瀬市

    猫児(べうじ)不幸にして俄(にはか)に横死す。
    鼠輩群を作(な)して喜声有り。
    好し轉(うた)た身を全うして天に上り去るも、
    飢うるに堪ふる四子は可憐生(かれんせい)。

      ※猫児は猫の愛称、子猫のことではない。
      ※(かれんせい)=不憫なやつ

       
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    猫が不幸にしてにわかに死んでしまった。
    鼠のやつは群をなして走り回っている。
    急死した猫の体は上天に召されたにしても、
    残されて飢えに堪えている四匹の子猫を見るのは不憫に耐えない)


       
0413一輪草IMG_1223.jpg                                         26.4.13 東京都清瀬市










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