墨場必携:漢詩 遊山
24.8.23 東京都清瀬市
遊山(やまにあそぶ) 田能村竹田(たのむらちくでん)
落落長松下
抱琴坐晩暉
清風無限好
吹入薜蘿衣
落落たる長松(ちやうしよう)の下(もと)、
琴を抱きて 晩暉(ばんき)に坐す。
清風 無限に好(よ)く、
吹き入る 薜蘿(へいら)の衣(い)。
24.8.24 東京都清瀬市
高く聳えた松の木の根方、
琴を抱き、夕暮れの残照を浴びて座っていると、
清らかな風は、途絶えることなく心地よく吹いて、
目の粗い薜蘿の衣を透きとおして入って来る。
24.8.24 東京都清瀬市
落落:疎らなさま。
晩暉:夕陽。「暉」は ひかり、かがやき。
薜蘿:「薜」はつる草の一種。かずら。「蘿」はつる草の一種。蔦。
「薜蘿」はかずらを織った目の粗い生地の質素な衣の意。
転じて隠者の着物を指していう。
24.8.23 東京都清瀬市