2012年5月30日

墨場必携:漢詩 敕勒歌 夏野


    
0529野原9569.jpg                                            24.5.27 東京都清瀬市

  敕勒歌     北斉 無名氏 

     敕勒川
     陰山下
     天似穹廬
     籠蓋四野
     天蒼蒼
     野茫茫
     風吹草低見牛羊

    敕勒(ちよくろく)の川
    陰山(いんざん)の下(もと)
    天は穹廬(きゆうろ)に似て
    四野(しや)を籠蓋(ろうがい)す
    天は蒼蒼(さうさう)たり
    野は茫茫たり
    風吹き草低(た)れて牛羊(ぎゆうやう)を見る

    
0529桑9603.jpg                                            24.5.29 東京都清瀬市


    ※敕勒川:「敕勒」はチュルクというトルコ語の音を写したもの。
         「敕勒川」は「陰山下」との関係から、川だけでなく、川を含む
          平原一帯のこと。
     陰山:大陸内部、内モンゴルから興安嶺に連なる山脈。
     穹廬:北方の遊牧民族の住むテント式の家屋。上部が円(まる)い。

    
0529桜桃9538.jpg                                            24.5.29 東京都清瀬市


    敕勒の平原は
    陰山の山脈の麓
    天は円(まる)いテントのように
    四方の平原を覆う
    大空は澄んで 抜けるように蒼く
    草原は 見わたすかぎり果てしなく広がる
    風が吹くと 草は低くなびき 牛や羊の姿が見える

    
0530鴨9789.jpg                                            24.5.30 東京都清瀬市


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