墨場必携:漢詩 秋夜待月
23.9.22 東京都清瀬市
秋夜待月(秋の夜月を待つ) 菅原文時
病客近秋思
愁人送夜情
莫言偏待月
多是睡難成
病客(びようかく) 秋に近づく思ひ
愁人(しうじん) 夜を送るの情(こころ)
言ふこと莫かれ 偏(ひとへ)に月を待つと
多是(おほよそ)に 睡(ねぶり)成り難きなり
病客:病気の人 患っている人
愁人:愁いに沈む人 もの思いのある人
多是:およそ、多分、多くは、の意味。俗語。
ほかに=「都(すべて)」の意を表すこともある。
23.9.13 東京都清瀬市
(たとえば)病の人が人生の終わりの秋に近づく思い
(たとえば)もの思いに沈む人がひとり秋の夜を送る心
ひたすら秋の夜 月を待っている風流人士などとは言いたもうな
おおよそは 胸に愁いあって 眠れずにそうしているのだ
23.9.15 東京都清瀬市