2011年9月23日

墨場必携:漢詩 秋夜待月

      
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   秋夜待月(秋の夜月を待つ)     菅原文時

     病客近秋思
     愁人送夜情
     莫言偏待月
     多是睡難成

       病客(びようかく) 秋に近づく思ひ
       愁人(しうじん) 夜を送るの情(こころ)
       言ふこと莫かれ 偏(ひとへ)に月を待つと
       多是(おほよそ)に 睡(ねぶり)成り難きなり

       病客:病気の人 患っている人
       愁人:愁いに沈む人 もの思いのある人
       多是:およそ、多分、多くは、の意味。俗語。
          ほかに=「都(すべて)」の意を表すこともある。

    
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       (たとえば)病の人が人生の終わりの秋に近づく思い
       (たとえば)もの思いに沈む人がひとり秋の夜を送る心
       ひたすら秋の夜 月を待っている風流人士などとは言いたもうな
       おおよそは 胸に愁いあって 眠れずにそうしているのだ

    
0915鴨5380.jpg                                            23.9.15 東京都清瀬市

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