2012年7月22日

墨場必携:漢詩 大偃川上即事

    
0709翡翠2403.jpg                                            24.6.10 東京都清瀬市


  「大偃川上即事(おおゐせんじやうそくじ)」      釈六如

   清流奇石緑縈彎
   隊隊香魚往復還
   忽有樵舟穿峡下
   軽篙蹙破水中山

    清流の奇石 緑縈彎(りよくえいわん)
    隊隊(たいたい)の香魚(かうぎよ) 往(ゆ)き復た還(かへ)る
    忽(たちま)ち樵舟(しようしゆう)の
              峡(やまかひ)を穿(うが)ちて下る有り
    軽篙(けいかう)蹙破(しゆくは)す 水中の山

    
0704鯉2218.jpg                                            24.7.4 東京都清瀬市 

    ※緑縈彎(りよくえいわん):川面に点々と顔を出す奇岩を巡って
                  緑水が廻りくねって流れるさま。
     香魚(かうぎよ):鮎
     軽篙(けいかう):軽い捌きで使う棹。船頭が舟を操るのに使う竹棹。
     蹙破(しゆくは):踏み破る。踏み壊す。
              ここでは船頭の操る棹が勢いよく水面を叩いて、一瞬に
              して水面に映っていた景色を壊したことをいう。

    
0709鴨2514.jpg                                            24. 7.9 東京都清瀬市

    清流に奇岩が点々とし、緑水は岩を巡って幾たびか廻りくねって流れている。
    群れをなした鮎が一隊一隊、往ったり来たり。
    ふと薪を積んだ小舟が峡谷を下ってやって来た。
    船頭が軽くさばいた竹棹が、
            水面に映る山影を一瞬にして突き壊し、皺にしてしまった。

    
0709鴨2520.jpg                                            24.7.9 東京都清瀬市




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