墨場必携:漢詩 大偃川上即事
24.6.10 東京都清瀬市
「大偃川上即事(おおゐせんじやうそくじ)」 釈六如
清流奇石緑縈彎
隊隊香魚往復還
忽有樵舟穿峡下
軽篙蹙破水中山
清流の奇石 緑縈彎(りよくえいわん)
隊隊(たいたい)の香魚(かうぎよ) 往(ゆ)き復た還(かへ)る
忽(たちま)ち樵舟(しようしゆう)の
峡(やまかひ)を穿(うが)ちて下る有り
軽篙(けいかう)蹙破(しゆくは)す 水中の山
24.7.4 東京都清瀬市
※緑縈彎(りよくえいわん):川面に点々と顔を出す奇岩を巡って
緑水が廻りくねって流れるさま。
香魚(かうぎよ):鮎
軽篙(けいかう):軽い捌きで使う棹。船頭が舟を操るのに使う竹棹。
蹙破(しゆくは):踏み破る。踏み壊す。
ここでは船頭の操る棹が勢いよく水面を叩いて、一瞬に
して水面に映っていた景色を壊したことをいう。
24. 7.9 東京都清瀬市
清流に奇岩が点々とし、緑水は岩を巡って幾たびか廻りくねって流れている。
群れをなした鮎が一隊一隊、往ったり来たり。
ふと薪を積んだ小舟が峡谷を下ってやって来た。
船頭が軽くさばいた竹棹が、
水面に映る山影を一瞬にして突き壊し、皺にしてしまった。
24.7.9 東京都清瀬市