墨場必携:漢詩 題自画 夏目漱石
25.2.3 東京都清瀬市
題自画(自画に題す) 夏目漱石
獨坐聽啼鳥
關門謝世嘩
南窓無一事
閑寫水仙花
独り坐して 啼鳥を聴き
門を関(と)ざして 世嘩(せいくわ)を謝す
南窓(なんさう) 一事無く
閑(かん)に写す 水仙の花
大正元年十一月(日付不記)の日記に「山水の画と水仙豆菊の画二枚をつくる」とある。同日記に同じ条に「水仙の賛に曰く」として見える詩。
25.2.3 東京都清瀬市
世嘩:世の中の騒がしさ
謝す:謝絶する
南窓:陶淵明「帰去来辞」に「南窓に倚つて以つて傲を寄す」とある。
25.2.20 東京都清瀬市