墨場必携:漢詩 梅花 夜明けの花
23.12.17 東京都清瀬市
「梅花」 生方鼎齋
欲見梅花面
衝寒立暁烟
一枝香乍動
残月影横邊
梅花の面(おもて)を見んと欲し
寒(かん)を衝(つ)きて 暁煙(ぎやうえん)に立つ
一枝 香(かう)乍(たちま)ち動く
残月 影横(よこた)はる辺(あたり)
梅花面:「面」は梅花の単なる「顔」ではなく、梅花が梅花としての
面目をほどこすその「顔」、おそらく寒中に凛として咲く姿
を指すのであろう。
暁煙:朝靄(もや)
残月:夜明けの空に残っている月。有明の月。
影:ここでは残月の「影」、月光。
24.2.2 東京都清瀬市
梅の花の真面目(しんめんぼく)を見ようとして、
寒さをものともせずに 朝もやの中に立った。
一枝の花が不意に匂い立ったのは
有明の月の光が横ざまに射しているあたり。
24.2.2 東京都清瀬市