墨場必携:漢詩 梅花雪裡開
ルリビタキ♂ 23.1.23 東京都清瀬市
賦新年雪裡梅花 有智子内親王(『経国集』所収)
春光初動寒猶緊
一株梅花雪裡開
想像宮中嬋娟處
暗知黄鳥稍相催
春光初めて動くも 寒(かん)猶ほ緊(きび)し
一株(いつしゆ)の梅花 雪裡(せつり)に開く
想像す 宮中嬋娟(せんけん)たる処(ところ)
暗に知る
黄鳥(くわうてう)稍(やうや)く相(あ)ひ催(うなが)すを
黄鳥:和名コウライウグイス
春の光がやっと動き出したが、寒さはなお厳しく、
ひと本の梅は雪の中に咲いている。
宮中の華やかさを極めたあたりに思いを遣るに、
ここにはそこはかとない鶯の声が聞こえ始める気配だ。
23.1.16 東京都清瀬市