墨場必携:漢詩 八月十五夜月前話舊
23.9.12 東京都清瀬市
八月十五夜月前話舊各分一字
[八月十五夜(はづきもちのよ)に月前に舊(むかし)を話(かた)る、
各(おのおの)一字を分かつ] 菅原道真
秋月不知有古今
一條光色五更深
欲談二十餘年事
珍重當初傾蓋心
秋月(しうげつ) 古今(ここん)有ることを知らず
一条の光色(くわうしよく) 五更(ごかう)深し
二十餘年(はたとせあまり)の事を談(かた)らんと欲するに
珍重(ちんちやう)す
当初(そのかみ)蓋(きぬがさ)を傾(かたぶ)けし心を
有古今:「古今」昔と今、に「有」は違いがあること。
「不知有古今」は昔と今に違いがないこと。
五更:「更(こう)」は夜の時間を区切って呼ぶ単位。
深夜の零時は「三更」に属する。「五更」は午前四時頃。
珍重:ここでは書簡語。お大事に。ありがたい。忝ない。などの
挨拶に用いる。
23.9.13 東京都清瀬市
秋の月の光は 今も昔も変わりがない
ひとすじの月光の色は清らかに冴えて 夜は五更も深くなった
二十年あまり前の 子供のころのことを 語ろうとするにつけ
あのころ 君といつもしたしく分かちあった心は ありがたいこと
仲良しの子供猫 23.9.13 東京都清瀬市