墨場必携:漢詩 送春 菅原道真
鬱金桜 24.4.24 東京都清瀬市
「送春」 菅原道真
送春不用動舟車
唯別残鶯與落花
若使韶光知我意
今宵旅宿在詩家
『菅家文草』
『和漢朗詠集』春上 三月尽
※三月尽は陰暦三月の末日、春の最終日。
今年の三月尽は現行暦の五月四日(立夏の前日)。
百舌鳥 24.4.24 東京都清瀬市
春を送るに舟車(しうしや)を動かすことを用ゐず
唯だ残鶯(ざんあう)と落花とに別る
若(も)し韶光(ぜうくわう)をして我が意を知らしめましかば
今宵(こよひ)の旅宿(りよしゆく)は詩(しい)が家に在らまし
残鶯:春が過ぎる頃にまだ啼いている鶯。晩春の鶯。
韶光:春の穏やかな明るい光。
詩家:詩人の家。詩人はここでは作者道真自身。
残りの桜 24.4.24 東京都清瀬市
春を送るのに舟や車の乗り物を動かす必要はない
ただ晩春の鶯が行き 花が散ることで 春に別れるのだ
もしも 去りゆく春に 別れを惜しむ私の思いを知らせることができたなら
春の尽きる今宵 最後の宿りに我が家を選んでくれるのだろうが
クラブアップル 24.4.24 東京都清瀬市