2012年1月27日

墨場必携:漢詩 霰


   
0124雪9955.jpg                                            24.1.24 東京都清瀬市

   「霰」   横山致堂

       雜雨隨風勢欲摧
       忽跳屋瓦點階苔
       天公應買梅花笑
       先擲明珠百斛來

     雨に雑(まじ)り風に随(したが)ひて
                      勢(せい)摧(くだ)けんと欲し
     忽(たちま)ち屋瓦(おくが)に跳(と)び階苔(かいたい)に点ず
     天公(てんこう)応(まさ)に梅花(ばいか)の笑ひを買ふべく
     先(ま)づ明珠(めいしゆ)
              百斛(ひやくこく)を擲(なげう)ち来(きた)る
     
      屋瓦:屋根瓦。
      階苔:きざはし(建物に上がる)の苔。
      天公:天上の主。天帝。
      買笑:佳人の嬉笑を得ること。
         梁の武帝と麗娟との故事の基づき、薔薇の異称にいう。
         ここではそれを踏まえた上で梅花に転用している。
      百斛:「斛」は量の単位で「石」に同じ。十斗。



    
0124紅梅9982.jpg                                            24.1.24 東京都清瀬市
    
  雨にまじり風に従って なにもかもを摧(くだ)きそうな勢い
  屋根瓦に跳びはね 階(きざはし)の苔にぽつぽつと小さな跡をつける
  天上の神は梅の花を喜ばせようとしたのだろう
  まず輝き光る宝玉を百斛(こく)も地上に投げ寄せてきたのだ

    
0124雪朝0020.jpg                                            24.1.24 東京都清瀬市



同じカテゴリの記事一覧