2011年2月 1日

墨場必携:漢詩 河陽花

      
4梅2.jpg                                         23.2.4 東京都清瀬市  

 「河陽十詠」四首    嵯峨天皇(『文華秀麗集』所収)

  「河陽花」    

       三春二月河陽懸
       河陽從來富於花
       花落能紅復能白
       山嵐頻下萬條斜

   三春 二月 河陽県(かやうけん)
   河陽 従来 花に富む
   花落つること能(よ)く紅(くれなゐ)に復(ま)た能く白し
   山嵐(さんらん) 頻りに下りて 万条斜めなり

       三春:春の三ヶ月。一月、二月、三月。
       河陽県(かようけん):もとは中国の地名。現在の河南省孟県付近。
          嵯峨帝のこの詩では山城国大山崎(現京都府)を詠むか。
       山嵐:山を吹き下りてくる風。
       万条:花の木の数多の枝々。

     春の二月の河陽県(大山崎)、
     河陽はもともと花に富む。
     花散って赤い花びら白い花びら入り混じり、
     山の風が頻りに吹き下ろしては、花の枝々は斜めに身を傾ける。

      
4紅梅.jpg                                     23.2.4 東京都清瀬市  
                   
      
31翡翠.jpg                                  翡翠 23.1.31 東京都清瀬市  



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