墨場必携:漢詩 庚辰春日作 清明
河津桜 24.3.25 東京都清瀬市
「庚辰春日作」 江馬細香
小閣眠驚此時情
春光藹藹近晴明
風前一樹如糸柳
裊裊未堪能著鶯
ソメイヨシノ 24.4.4東京都清瀬市
小閣に眠り驚(さ)む 此の時の情
春光藹藹(あいあい)として 晴明近し
風前一樹 糸の如き柳
裊裊(でうでう)として
未(いま)だ能(よ)く鶯を著(つ)くるに堪へず
小閣:小さな建物。
晴明:二十四節気のひとつ。「春分」の次の節気にあたり、
平成24年の清明は4月4日。
『暦便覧』に「万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草と知れる
なり(万物がすがすがしくあきらかであって、若い芽をこれは何の
草と看て取れる)」とある。
裊裊:たおやか、しなやか。木が風にゆれるさまに用いられることが多い。
著鶯:鶯を(枝に)とまらせる
ダイサギ 24.3.25 東京都清瀬市
小さな建物でまどろみから醒める この心地よさ
穏やかな春の光が満ちて 時は清明に近づいた
春風にひと本 糸のような柳
たおやかに揺れて まだ鶯がとまるにも堪えない
メジロ 24.3.27 東京都清瀬市