2012年11月30日

墨場必携:漢詩 夜聞落葉


       
1117山茶花9589.jpg                                          24.11.17 東京都清瀬市


  夜聞落葉(夜 落葉を聞く)
          秋山玉山

   千林霜葉夜飄零
   蕭瑟秋聲不可聽
   夢裡忽疑風雨至
   開窗殘月滿中庭

  千林の霜葉(さうえう) 夜飄零(へうれい)し
  蕭瑟(せうしつ)たる秋声 聴くべからず。
  夢裡(むり)忽(たちま)ち疑ふ 風雨至るかと
  窓を開くれば 残月中庭に満つ。

       
1118山茶花9948.jpg                                         24.11.18 東京都清瀬市

   多くの林の霜枯れの葉が風に吹き落とされ、
   もの寂しげな秋の音は聴くにたえない。
   夢のうちに風が出て雨が降り出したかと思い、
   窓を開けて見ると 月の光が庭中を照らしていた。


1118ススキ9988.jpg                                         24.11.18 東京都清瀬市

  霜葉(さうえふ):霜にあたった葉。
       古代は時雨や霜によって秋の紅葉は進むと考えられていた。
       詩の表現はそれを踏襲するので、霜葉はむしろ美しい紅葉を
       表すことも多い。
  残月:夜明けの空に残る月。有明の月。


       
1124月0496.jpg                                          24.11.24 東京都清瀬市










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