墨場必携:漢詩 夜聞落葉
24.11.17 東京都清瀬市
夜聞落葉(夜 落葉を聞く)
秋山玉山
千林霜葉夜飄零
蕭瑟秋聲不可聽
夢裡忽疑風雨至
開窗殘月滿中庭
千林の霜葉(さうえう) 夜飄零(へうれい)し
蕭瑟(せうしつ)たる秋声 聴くべからず。
夢裡(むり)忽(たちま)ち疑ふ 風雨至るかと
窓を開くれば 残月中庭に満つ。
24.11.18 東京都清瀬市
多くの林の霜枯れの葉が風に吹き落とされ、
もの寂しげな秋の音は聴くにたえない。
夢のうちに風が出て雨が降り出したかと思い、
窓を開けて見ると 月の光が庭中を照らしていた。
24.11.18 東京都清瀬市
霜葉(さうえふ):霜にあたった葉。
古代は時雨や霜によって秋の紅葉は進むと考えられていた。
詩の表現はそれを踏襲するので、霜葉はむしろ美しい紅葉を
表すことも多い。
残月:夜明けの空に残る月。有明の月。
24.11.24 東京都清瀬市