墨場必携:漢詩 夏夜雨
23.6.19 東京都東村山市北山公園
夏夜雨(かやのあめ) 友野霞舟
微月光斜河漢澹
清風滿樹雨聲來
水紋簟滑生涼氣
臥看流螢點綠苔
微月(びぐえつ)光斜めにして河漢(かかん)澹(あは)く
清風(せいふう)樹に満ちて雨声(うせい)来たる
水紋 簟(てん)滑(すべ)らかにして涼気生じ
臥(ふ)して看る流螢(りうけい)の
緑苔(りよくたい)に点ずるを
微月:ほのかな月の光。細い月。
河漢:天の川
水紋:水面に広がる波紋
簟:葦、竹の表皮などで編んだ蓆(むしろ)。
23.6.19 東京都東村山市北山公園
三日月の光は斜めに射して 天の川はうっすらと見え
清風は樹木に吹き渡り 雨が音を立てて降って来た
水紋は 水面に簟(むしろ)を敷くように 滑(すべ)り広がって涼気を生じ
横になったまま 流れ飛ぶ螢が緑の苔の上を点々光るのを看ている
23.6.19 東京都東村山市北山公園