墨場必携:漢詩 江月
24.9.1 東京都清瀬市
江月(かうげつ) 亀田鵬斎(かめだ ほうさい)
満江明月満天秋
一色江天万里流
半夜酒醒人不見
霜風蕭瑟荻蘆洲
満江の明月 満天の秋
一色(いつしよく)の江天(かうてん)万里(ばんり)流る。
半夜(はんや)酒醒(さ)めて 人見えず、
霜風(さうふう)蕭瑟(せうしつ)たり荻蘆洲(てきろしう)。
24.10.1 東京都清瀬市
月の光は川面に満ちて空は澄み、秋の気は天に満ちる。
水と空とが一つの色に連なり 万里に渡って流れている。
夜半酔いが醒めてみれば あたりに人影もなく、
ただ霜を帯びた冷気が寂しく荻や蘆の繁る中州を渡って吹いてくるばかり。
24.10.1 東京都清瀬市