墨場必携:漢詩 春日偶成 夏目漱石
25.4.9 東京都清瀬市
春日偶成 夏目漱石 明治45年
其一
莫道風塵老
當軒野趣新
竹深鶯亂囀
淸晝臥聽春
25.4.9 東京都清瀬市
風塵(ふうぢん)に老ゆと道(い)ふ莫(な)かれ
軒に当たりて野趣新たなり
竹深くして鶯(うぐひす)乱れ囀(さえづ)り
清昼(せいちう)臥(ぐわ)して春を聴(き)く
25.4.9 東京都清瀬市
風塵:浮世の塵の中。
当軒:ベランダに出る。
野趣:自然の素朴な趣き。
聴春:ここでは、鶯の囀りを始めとした万物の物音に
盛んな春を感じることか。
25.4.9 東京都清瀬市