2011年1月 3日

墨場必携:漢詩 初春侍宴

      
2梅.jpg                                          23.1.2 東京都清瀬市  

   寛政情既遠
   迪古道惟新
   穆穆四門客
   済済三徳人
   梅雪乱残岸
   煙霞接早春
   共遊聖主沢
   同賀撃壌仁

    寛政(くわんせい)情既に遠く
    迪古(てきこ)道惟(こ)れ新たし
    穆穆(ぼくぼく)たり四門の客
    済済(せいせい)たり三徳の人
    梅雪(ばいせつ)残岸(ざんがん)に乱れ
    煙霞(えんか)早春(さうしゆん)に接す
    共に聖主の沢(たく)に遊び
    同(とも)に撃壌の仁を賀す

   寛政:寛大な政治
   迪古:古代の正しい道を踏み行うこと。「迪」は「踏む」。
   穆穆:厳かで麗しいさま
   四門:宮中の四方の門。「四門の客」は宮中に集う人の意。
   済済:多士済々と使われる。優れた人材の大いさま。
   三徳:智、仁、勇(『礼記』中庸)
   残岸:崩れ落ちて残った部分が崖になった地形。切り立った崖。
   撃壌:鼓腹撃壌の故事(『帝王世紀』)から、太平を謳歌すること。
   
   大らかな政(まつりごと)を行い給ふ大君の御心は遠く行き渡り
   いにしえの道にのっとる御政道はここに新しい一歩を踏み出した。
   客人たちは四方の門から威儀を正してここに集い、
   あまたここに集うのは皆徳に優れた人びとばかり。
   雪のように白い梅の花びらが切り立った岸壁に乱れ散り、
   霞が早春の空にたなびいている。
   我ら集って尊い君の恩沢に遊び、
   共に太平の御代をことほぐ。


      
2散歩平和.jpg                                          23.1.6 東京都清瀬市  



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