2012年9月14日

墨場必携:漢詩 早秋


   
0909空1496.jpg                                          24.9.9 東京都清瀬市  

   炎景剰残衣尚重
   晩涼潜到簟先知
            『和漢朗詠集』210 秋 早秋 紀長谷雄 

  炎景(えんけい)剩(あまつ)さへ残つて 衣尚(な)ほ重し
  晩涼(ばんりやう)潜(ひそ)かに到(いた)つて
                     簟(たかむしろ)先(ま)づ知る 

    
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                                          柘榴 24.9.7 東京都清瀬市

  まだ日中は残暑の炎熱で、薄物の夏の衣さえ重く思われる。
  しかし暮れれば、涼気はひそかに到来していることを、
            竹の敷物の冷ややかさが まず教えてくれることだ。  

     
0813鷺1703.jpg                                      コサギ 24.9.13 東京都清瀬市

  簟先知:『白氏文集』からの引用。苦雨詩に「闇留不暁窓 涼引簟先知」とある。
      簟(=竹の敷物)の表面がまず一番にひんやりしてくることを言う。

     
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                                             24.9.9 東京都清瀬市

      





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