墨場必携:漢詩 雨上がりの感
23.6.12 東京都清瀬市
有感(感有り) 山崎闇斎
坐憶天公洗世塵
雨過四望更清新
光風霽月今猶古
唯缺胸中灑落人
坐(そぞ)ろに憶(おも)ふ
天公(てんこう)世塵(せぢん)を洗ふかと
雨過ぎて四望(しばう)すれば 更に清新(せいしん)なり
光風(くわうふう)霽月(せいぐえつ)
今猶(な)ほ古(いにしへ)のごときも
唯だ缺(か)く 胸中(きようちゆう)灑落(しやらく)の人
霽月:霽は雨や雪が止み、雲や霧が散じて晴れること。
霽月は雨上がりに照る月。転じて人品の高潔であること
「人品甚高、胸懐灑落、如光風霽月」『宋史』周敦頤伝
23.6.12 東京都清瀬市
ふと 天の神が 世の汚れを洗い流してくれたか と思うように
雨上がりの四方の眺めは ひときわ清々(すがすが)しい
光る風 霽(は)れ間の月は 今も昔と変わらないが
ただ胸中のさっぱりとものにこだわらない人が
今の世には なかなかいないもの
23.6.11 東京都清瀬市