2011年6月 9日

墨場必携:漢詩 雨上がりの感

    
0612雨上がり2.jpg                                         23.6.12 東京都清瀬市

   有感(感有り)  山崎闇斎

     坐憶天公洗世塵
     雨過四望更清新
     光風霽月今猶古
     唯缺胸中灑落人

       坐(そぞ)ろに憶(おも)ふ
              天公(てんこう)世塵(せぢん)を洗ふかと
       雨過ぎて四望(しばう)すれば  更に清新(せいしん)なり
       光風(くわうふう)霽月(せいぐえつ)
                今猶(な)ほ古(いにしへ)のごときも
       唯だ缺(か)く 胸中(きようちゆう)灑落(しやらく)の人

     霽月:霽は雨や雪が止み、雲や霧が散じて晴れること。
        霽月は雨上がりに照る月。転じて人品の高潔であること
       「人品甚高、胸懐灑落、如光風霽月」『宋史』周敦頤伝 

    
0611紫陽花4.jpg                                         23.6.12 東京都清瀬市

     ふと 天の神が 世の汚れを洗い流してくれたか と思うように
     雨上がりの四方の眺めは ひときわ清々(すがすが)しい
     光る風  霽(は)れ間の月は 今も昔と変わらないが
     ただ胸中のさっぱりとものにこだわらない人が
                   今の世には なかなかいないもの

   
0611雨上がり.jpg                                         23.6.11 東京都清瀬市

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