墨場必携:漢詩 冬夜長
23.1.15 東京都清瀬市
「冬夜長(とうやながし)二首 」 釈良寛
老朽夢易覚
覚来在空堂
堂上一盞燈
挑尽冬夜長
一思少年時
読書在空堂
燈火数添油
未厭冬夜長
23.1.9 東京都清瀬市
老朽(らうきう)夢覚め易し
覚め来たりて空堂(くうどう)に在り
堂上一盞(いつさん)の燈(ともしび)
挑(かか)げ尽して冬夜長し
老いの身は眠り浅く、目が覚めやすい。
覚めてひとり、がらんとした部屋にいる。
室内には一基の燈火。
燈心が燃え尽きるまで過ごしても、なお明けない冬の夜の長さよ。
一たび思ふ少年の時
書を読みて空堂(くうどう)に在り
燈火数(しばし)ば油を添へ
未(いま)だ冬夜の長きを厭はざりしを
ふと思い出す少年の日のある時。
夜人気(ひとけ)のない部屋で本を読み、
燈火の油をしばしば注ぎ足しながらも、
冬の夜の長いことが少しも苦にならなかったのを。
朝日を浴びる親子
なに? "シマネコマガジン"