墨場必携:漢詩 夏晩
24.8.21 東京都清瀬市
夏晩(なつの くれ) 隋 薛道衡(せつ どうこう)
流火稍西傾
夕影遍曾城
高天澄遠色
秋気入蟬聲
流火(りうくわ)稍(やうや)く西に傾(かたぶ)き
夕影(せきえい)曾城(そうじやう)に遍(あまね)し
高天(かうてん)遠色(えんしよく)澄み
秋気蟬声(せんせい)に入る
24.8.27 東京都清瀬市
夏の盛りには真南にあった赤い星(アンタレス)がしだいに西に傾く頃になり
夕暮れの残照は崑崙山(こんろんさん)をあまねく照らし出す
高い空は遠くまで澄み渡り
いつかしら秋の気配が蟬の声に滲み入っている
24.8.21 東京都清瀬市
夏晩:夏の暮れ。時期は晩夏に同じ。
流火:蠍座の主星アンタレスのこと。南天の赤い星。
曾城:西の崑崙山脈の山の名。
ここでは、日の沈む方の遠い山なみ。
24.8.26 東京都清瀬市