2012年8月31日

墨場必携:漢詩 夏晩


    
0821水辺7322.jpg                                          24.8.21 東京都清瀬市

  夏晩(なつの くれ)   隋 薛道衡(せつ どうこう)

   流火稍西傾
   夕影遍曾城
   高天澄遠色
   秋気入蟬聲

  流火(りうくわ)稍(やうや)く西に傾(かたぶ)き
  夕影(せきえい)曾城(そうじやう)に遍(あまね)し
  高天(かうてん)遠色(えんしよく)澄み
  秋気蟬声(せんせい)に入る

    
0827蜻蛉9086.jpg                                            24.8.27 東京都清瀬市

    夏の盛りには真南にあった赤い星(アンタレス)がしだいに西に傾く頃になり
    夕暮れの残照は崑崙山(こんろんさん)をあまねく照らし出す
    高い空は遠くまで澄み渡り
    いつかしら秋の気配が蟬の声に滲み入っている
    
 
    
0821翡翠7343.jpg
                                            24.8.21 東京都清瀬市

  夏晩:夏の暮れ。時期は晩夏に同じ。
  流火:蠍座の主星アンタレスのこと。南天の赤い星。
  曾城:西の崑崙山脈の山の名。
     ここでは、日の沈む方の遠い山なみ。

    
0826蝉8962.jpg                                            24.8.26 東京都清瀬市



同じカテゴリの記事一覧