墨場必携:漢詩 夏日睡起
23.8.14 東京都清瀬市
夏日睡起(かじつねむりよりおく) 館柳湾(たち りうわん)
獨臥風牀睡味長
醒來殘日下西墻
門前時有賣蟲過
一擔秋聲報晩涼
独り風牀(ふうさう)に臥すれば睡味(すいみ)長く
醒め来たれば残日(ざんじつ)西墻(せいしやう)を下る
門前 時に蟲を売り過ぐる有り
一担(いつたん)の秋声 晩涼(ばんりやう)を報ず
風牀:風の吹き入る寝床。
長:=善、よい、優れている。
墻:本来は土塀。我が国の詩の場合は垣根。
一擔秋聲:ひと担ぎの虫の声。
鈴虫などを売る虫売りは、虫籠を積んだ担ぎ屋台を担いで商う。
23.8.20 東京都清瀬市
ひとり風の吹き入る寝床に横になっていると
睡りの味はよいものだ
目覚めると 夕日は西側の垣根に落ちている
門前を虫売りが通り過ぎ
担いだ荷から秋の声が 夕暮れの涼しさを報(つ)げる
23.8.15 東京都清瀬市