墨場必携:漢詩 梅邊步月
23.11.12 東京都清瀬市
「梅邊步月(ばいへん つきにあゆむ)」 江馬細香(えま さいかう)
梅月嬋娟奈夜何
微吟移步踏横斜
満身疏影清如水
但認幽香不見花
梅月(ばいげつ)嬋娟(せんけん)として夜を奈何(いかん)せん
微吟(びぎん)步(ほ)を移して横斜(わうしや)を踏む
満身の疏影(そえい)清きこと水のごとく
但(た)だ幽香(いうかう)を認めて花を見ず
※嬋娟:あでやかで美しい
※横斜:梅の木の枝の横や斜めに延びる枝の形状。
ここでは月光が地面に映している梅の枝の影
※疏影:「疏」は「疎」。まばらな影
※幽香:かすかな梅の香
23.2.20 東京都清瀬市
梅とそれを照らす月のあでやかに美しい こんな夜をどう過ごそうか
小さく詩を口ずさみながら 横や斜めに延びる梅の枝影を踏んで歩く
身(み)いっぱいに受ける梅の枝影の 清らかなことは水のよう
ただほんのりと漂う梅の香りがあるばかり 花の姿は見えない
24.2.17 東京都清瀬市