2012年2月17日

墨場必携:漢詩 梅邊步月


    
20111112月2960.jpg                                           23.11.12 東京都清瀬市

  「梅邊步月(ばいへん つきにあゆむ)」    江馬細香(えま さいかう)

     梅月嬋娟奈夜何
     微吟移步踏横斜
     満身疏影清如水
     但認幽香不見花

      梅月(ばいげつ)嬋娟(せんけん)として夜を奈何(いかん)せん
      微吟(びぎん)步(ほ)を移して横斜(わうしや)を踏む
      満身の疏影(そえい)清きこと水のごとく
      但(た)だ幽香(いうかう)を認めて花を見ず

     ※嬋娟:あでやかで美しい
     ※横斜:梅の木の枝の横や斜めに延びる枝の形状。
         ここでは月光が地面に映している梅の枝の影
     ※疏影:「疏」は「疎」。まばらな影
     ※幽香:かすかな梅の香

    
19梅白2.jpg                                            23.2.20 東京都清瀬市

     梅とそれを照らす月のあでやかに美しい こんな夜をどう過ごそうか
     小さく詩を口ずさみながら 横や斜めに延びる梅の枝影を踏んで歩く
     身(み)いっぱいに受ける梅の枝影の 清らかなことは水のよう
     ただほんのりと漂う梅の香りがあるばかり 花の姿は見えない

    
0217梅2473.jpg
                                            24.2.17 東京都清瀬市




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